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2012年08月10日 8/26(日) P・バラカン×B・オズボーントークイベント 当日の内容を少しだけ紹介!
ブロードキャスターとして活躍中のピーター・バラカン氏を案内役に迎え、
美術や音楽の基底にある、人が「アートする」という行為はどのようなものか?
毎回様々なジャンルをとおして考える本イベント。第6回目は「音楽と写真」をテーマに、8/26(日)13:00~開催します。
今回のゲストは、当館多目的室にて「親子写真展」を開催中の
写真家、ブルース・オズボーンさんです。レコードやCDに欠かせないそのアートワーク。
今回はお二人に、レコードジャケットや、その写真にまつわるエピソードなどを、
音楽とともにご紹介いただきます。iPod等のデジタル音楽プレイヤーの普及とともに、
CDやレコードジャケットを手にする機会が減った方も多いと思います。また、テレビ等のメディアが今よりも発達していなかった時代、
1つの曲にまつわる視覚的イメージは、今よりもずっと限られていたのではないでしょうか。コンサート等で生演奏に触れる機会も少なかったこの時代、
レコードのアートワークが唯一の、 ミュージシャンや曲から連想できるイメージだった
と言ってもいいのかもしれません。オズボーンさんは、アメリカ、日本で数々のミュージシャンのアーティスト写真を
手がけてこられました。1970年代半ばより、全米に配布されていた音楽情報誌
『Phonograph Record Magazine』にてカメラマンの仕事をスタート。ローリング・ストーンズのロン・ウッド、エタ・ジェイムズ、ウォーレン・ジヴォン、アバ、
エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)などの写真を新たな視点から撮り下ろし、
注目を集めました。日々音楽を紹介する側にいるピーターさんと、
その音楽のアートワークを撮り続けてきたブルースさん。一体どんなレコードを紹介いただけるのか、とても楽しみですね!
また、ビートルズなど伝説のアーティストが生まれた60年代ロンドンで生まれ育ったピーターさん。
同時期の、カウンターカルチャーまっただ中のアメリカ西海岸で青春期を迎えたブルースさん。音楽や文化にとって濃密な時間が流れたこの60年代に、
お二人は何を聴き、何を想ったのでしょうか。音楽だけでなく、それにまつわるアートワークについても語る、なんとも贅沢なイベントです!
実は・・・お二人に、当日紹介するレコードを1枚だけ、教えていただきました!
まずはピーターさんが選んだ一枚はこちら。
「このアルバムに収録されている音楽を、この写真は完璧に表しています。」
― ピーター・バラカン
言わずとしれたTHE BANDの最高傑作「THE BAND」。
俗に「ブラウンアルバム」と呼ばれていますね。ピーターさんのコメント、
端的に、的確に、このレコードの音とイメージについて言い当てておられてますね!若いのにそのすべてが渋すぎる!
そして、古い音楽の伝統を新しく解釈した音、というところでしょうか。当日はどの曲をご紹介いただけるのかも楽しみですね。
次はブルースさんの選んだ一枚はこちら!
「1976年にリリースされたBoz Scaggsのアルバム「Silk Degrees」は、そのジャケット共々、
その後のミュージックシーンに大きな影響を及ぼしました。
このアルバムの写真を撮ったのはMoshe Brakhaです。
彼のファッション写真的な技法と、情熱的な表現は、とっても魅惑的で神秘的で、
Mosheイメージによって、Scaggsの音楽が、さらに高い評価を得られたと思います。
このレコードの写真でグラミー賞をとった時、
MosheはArt Center College of Designを卒業して間もなくの頃で、
その後も音楽業界への偉業を数々残しました。」― ブルース・オズボーン
Boz Scaggsの出世作。こちらも名盤中の名盤ですね。
Boz Scaggsは、「Silk Degrees」で今までのサウンドをより洗練させ、
アルバム・ジャケットのイメージも一新。
その後AOR(Adult-Oriented Rock)という新たなジャンルを切り開き、
流行の先端をいくミュージシャンになりましたね。当日はもちろんこのほかにもたくさんのレコードをご紹介いただきます!
なお、当日は「ブルース・オズボーン 親子写真展~未来の私たちへの贈り物~」最終日!
氏のライフワークである親子写真についてもお話しいただきます。※本イベント開催のため、8 月26 日(日)は16 時まで写真展をご覧いただくことができません。
予めご了承ください。本イベントの詳細、お申込みはこちら。
申込締切日は8/14(火)です!
この機会をお見逃しなく!!!
(m.y)
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2012年08月08日 もう一つの七夕
昨日は8月7日、月遅れの七夕、今年、平成24年はこの日が立秋でした。
なるほど、今朝の静岡はいつもより涼しくて
秋きぬと 目にはさやかにみえねども 風の音にぞ おどろかれぬる でした。七夕の美術展も残すところあと2週間、まさに大詰めです。
8月6日の静岡新聞に、日詰明男さんの記事が掲載されました。
このブログでも紹介しましたが、七夕展の関連展示として葵タワー1階エントランスにフィボナッチタワーを、そして3階の美術館エントランスに羽衣天の川を、市民の皆さんと一緒につくってくださった、アーティストです。
今回、日詰さんに、葵タワー1階(地上界)エントランスに、展示室のある3階・美術館(天上界)まで届くような竹のタワーの制作を、そして美術館のある3階(天上界)に羽衣天の川の制作を依頼したのは、本展の見どころの一つでもある、「天稚彦の物語」のようなことを、現代作家と一緒にしてみたかったからです。
この天稚彦の話は、ぜひみなさんに楽しんでいただきたい、知っていただきたい、もう一つの七夕ともいうべき、とってもユニークな七夕のお話です。
本展では、とにかくいつ来ても、通してお話がわかるように、こんなふうに展示しました。
このお話、とっても面白いのです!
皆さんは、織姫と彦星の七夕の話は、小さい頃からよくご存知だと思います。
織姫と彦星のお話は中国からやってきたものですが、この天稚彦の話は、日本独自の物語!
しかも、天稚彦は天から地上に降りてきて、姫に構わず勝手に天に帰ってしまうし。
姫は天稚彦に会いたくて、自力で、まるでジャックと豆の木みたいにして天に昇るし。安城市歴史博物館本
天にいけば、箒をもった箒星や、昴に出会うし。
しかも昴(すばる/プレアデス)はセブンシスターズ(seven sisters)で描かれていてかわいいし。安城市歴史博物館本
それから天の川は、西洋ではミルキーウェイだけれど、この話では、天稚彦のお父さん(鬼)が投げた”瓜”が割れて誕生したり、姫の涙でできたり、、
専修大学図書館本
そういえば、冷泉家の乞巧奠 星の座で、織姫と彦星に捧げられたお供物、海の幸山の幸には、瓜がお供えしてありましたね
うりなすび ももなし からのさかづきに ささげらんかず むしあわびたい(瓜茄 桃梨 空の杯 ささげ 蘭花豆 蒸鰒 鯛)
「天稚彦の物語」に冷泉家の「乞巧奠 星の座」
ぜひご来館になってご覧ください!
統計をとってはいませんが、来館者アンケートやギャラリートークをしたときのお客様の反応から察するに、大変人気です!!遠方の方は図録でお楽しみください
今回、サントリー美術館本、専修大学図書館本、安城市歴史博物館本、の図様を比較できるようにして図版を掲載しました。
お陰さまで、売れ行きがよく、売り切れ御免!という状況です
お早めに!(e.y.)
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2012年08月08日 ストラスブール美術館展のポスターとチラシができました!
立秋を過ぎましたが、まだまだ暑い毎日ですね。
さて、少し早い登場になりますが、
10月27日(土)から当館で開催の
「ストラスブール美術館展 モダンアートへの招待」
のポスターとチラシが本日到着しました!!!
本展の注目作品、ポール・シニャックの《アンティーブ、夕暮れ》に合わせ、全体は淡いブルーで統一されています。
お菓子のパッケージのようなかわいらしいポスターとチラシになりました♪
チラシは本日から館内に設置を始めていますので、見つけたら是非お手にとってご覧ください。
前売券は、今週末8月11日(土)から発売です!
ストラスブールってどこ?関連イベントは?作品のみどころは?などなど、
徐々に展覧会情報はお知らせいたしますので、どうぞお楽しみに。
(K.O)
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2012年08月05日 東西七夕美人対決 深水VS恒富 そして雪岱
ただ今、後期展示の七夕の美術展展示室では、東西の近代美人画家による七夕対決!
東は、日本近代を代表する美人画家・伊東深水《銀河祭り》(左側)
西は、近年注目される大阪の美人画家・北野恒富《願いの糸》(右側)
本展を準備する中で、また実際作品を展示していて、改めて、近代を代表する日本画家たちにとって七夕という画題が大切なものだったんだということを感じます。
(その理由は、まだ私にはわからないけれど、、、)しかも、私たちが今では忘れている七夕の風習が描かれることが多いこと!
二人が描いた七夕の風習とは、、、、
旧暦の七月七日(本年は八月二十四日にあたります)、女性たちは盥(たらい)の水に”天の川”を映し、その上で針に糸を通すことで、裁縫の上達を祈ったといわれています。これは、冷泉家に今なお伝えられる乞巧奠(きっこうでん)と呼ばれる技芸の上達を祈る星祭りの風習にもよります。
左側の伊東深水《銀河祭り》と右側の北野恒富《願いの糸》
いずれも、この、私たちが忘れている七夕を描いた、とっても魅力的な作品です。
まず、左側の作品、深水からみてみましょう。
薄い青の着物を着た女性が、水がなみなみと張られた盥の前にしゃがんでいます。彼女は一心に針に糸を通そうとしています。その真剣な表情、真っ白い肌に赤い糸が印象的です。
頭上には笹の葉に短冊、そして「梶の葉」が象徴的に吊り下げられています。
そして短冊には「七草や 露の盛りを 星の花」と鬼貫の”秋の句”が認められているのです。
この作品は一九三八年頃から構想を練り、第二回日展へ出品した彼の渾身の大作!一点の破たんもなく研ぎ澄まされた美しさを感じます。
深水の師・鏑木清方に、ローマで開催された日本美術展へ出品した《七夕》絹本着色 六曲一双 昭和四年(一九二九)大倉集古館蔵がありますが、深水はいわばそのエッセンスをこの堂々たる大幅に描ききっているといえるでしょう。
右の作品、恒富も負けてはいません
女性の、物思う、なんともいえない表情は、深水の一途それとは違った味わいがあります。
髪飾りにも☆がきらめいています。何より、当時評判となったといわれる「恒富の赤」が画面を引き締め、効果的ですね
さらにさらに、
本展では、もう一点、この風習を描いた、とても素敵な作品を展示しています。
ちゃんと、盥の水に映った星を描いた作品、小村雪岱《星祭り》です。
小村雪岱《星祭り》金子國義氏蔵
大きな盥の前にしゃがみこむ華奢な美人。彼女が覗き見ている盥桶の中には、まるで蛍の放つ光りのような青っぽい星が五つぶみえるのです。
彼女の着物には秋の草花である桔梗と薄が描かれています。群青色の桔梗の花はお星様の形と同じ、五角形!薄の曲線は流水紋にもみえ、まるで天の川の衣をまとっているようにもみえますね。(ちなみに、この見方は、お客様に教えて頂きました。あの泉鏡花の装丁本などを手掛けた雪岱ですから、着物に描いた桔梗は、秋だけじゃなくて☆を、天の川を意識していたかもしれませね)
初秋の星祭り・七夕は、今も昔も私たちにとって魅力的な行事であることを、こうした作品群は何より雄弁に物語ってくれている、そんなことを考えます。
この展覧会は残すところあと2週間!今、ここでしか見られません!
ぜひぜひ静岡市美術館へご来館ください。
(e.y.)
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2012年08月02日 初秋の星祭り”七夕”
七月二十四日から七夕の美術展【後期】がスタートしました。
明日、八月三日~五日まで、静岡では第65回清水みなと祭りが開催されます。
お祭りを楽しむ前に、ぜひ、涼しい静岡市美術館にお立ち寄りください!
”ゆかた”でお祭りを楽しむ方、あなたの”ゆかた”に負けないくらい、素敵な和服を着た女の子たちの作品を静岡市美術館でみてください。期間限定で“ゆかた割引”開催中です!
和服に注目して、七夕の美術展でただ今展示されている作品をご紹介しましょう。
今回は、ポスターで大人気、橋本花乃《七夕》(昭和5~6年頃)大阪市立近代美術館建設準備室蔵です
“女性画家の描く初秋の星祭り”
七人のおかっぱ頭の少女たち。
どこか懐かしさ、純粋さただよう、ステキな作品です。
少女たちは、五色の短冊を切り、お習字をして、「七夕」と記された短冊を「はいどうぞ」と手渡し、笹竹につけている様子が、二曲一双の屏風の中で右から左へ流れるように展開しています。赤、青、黄色、白、緑の鮮やかな短冊に呼応するかのような、少女たちの着物の描写は、実に見事!
着物の柄もまたかわいらしいのです。
右の子は白地に団扇が散りばめられ、笹だけや菊の模様、赤い着物の子は、橘、薄緑色の子は紅葉。薄い赤の子は梅に菊、青い子は流水に紅葉、薄い青の子は真っ赤な菊。
そう、菊や紅葉は言うまでもなく秋の風物ですね。
七夕と言えば、現代の私たちの生活の中ではすっかり”夏の風物詩”ですが、旧暦では”秋”。つまり、”七夕は秋の初めの星祭り”なのです。昭和初年に描かれたこの作品の中の子どもたちが、こうした秋模様の着物を身にまとうのは自然なことなのです。
ちなみに短冊に願い事を書くというのも、ごく最近のことのようです。その証拠に画中の短冊にはどれをみても「をりひめさま」「天の川」「二星」などと七夕を象徴する語句が記されています。願い事は一つもありません。
こんな素敵な屏風を描いたのは、実は橋本花乃(1897~1983)という女性の画家です。彼女は大坂の美人画の名手・北野恒富の門下の雪月花星(星加雪乃、別役月乃、花乃、四夷星乃)の一人に数えられた優秀な画家でした。大正九年には母子の情景を暖かな眼差しで描いた《愛》で第二回帝展入選をはたしている実力者!
筆力の充実した本作は彼女もまた自信を持って帝展に出品した作品でした。しかし、なぜか落選してしまったそうです。以来、花乃は大規模な公募展への出品をやめ、昭和七年には家庭に入り、結婚後も城田花乃として活動を続けました。
でも、この「七夕の美術展」では、間違いなく一等賞!ですね。
(e.y.)
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2012年07月29日 「しずびオープンアトリエ ”折形”とあそぼう!」8/1よりスタート!
春・夏の年2回、期間限定でオープンする「しずびオープンアトリエ」。
これまで、開催中の展覧会に関連した、オリジナル創作プログラムを実施してきました。昨年の夏は「没後150年 歌川国芳展」に合わせ、
国芳の迫力満点の大判三枚続の作品をもとに、飛び出すカードづくりをしたり…
https://shizubi.jp/blog/2011/07/post-51.php春には「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展に合わせ、
夢二作品をもとにした手作り「消しごむハンコ」を使って、
オリジナルレターセットやカレンダーをつくりました。
https://shizubi.jp/blog/2012/02/post-72.phpさて今回は、ただ今開催中の
「七夕の美術-日本近世・近代の美術工芸にみる」展にあわせ、
七夕などの日本の年中行事とも深い関わりをもつ
“折形(おりがた)”をテーマにしました。ところでみなさん、”折形(おりがた)”ということばを知っていますか?
“折形”とは、室町時代から続く「贈るものを紙で包む」方法で、日本の伝統文化です。
戦前までは、人々の暮らしの中にあったものですが、
最近では、あまり見かけなくなりました。展示作品の中にも、”折形(おりがた)”が描かれているんですよ。
昔の人々にとっては、身近なものだったようですね。“折形(おりがた)”の特徴は、
“相手への気持ちを込めて、贈り物を包む”ことにあります。今回は、お子さんから大人まで楽しめる、そして生活の中で役立つ、
6つのプログラムを用意しました。「七夕の美術-日本近世・近代の美術工芸にみる」展にちなんだプログラムもありますよ!
今日はその内容を少しだけご紹介します。
1.草花包み
大切なあの人に似合う草花を選んで包み込みます。
子ども用、大人用と2種類の折形を用意しました。
2.種包み
突然ですが、”もう一つの七夕”
「天稚彦(あめわかひこ)の物語」を知っていますか?私たちが子どものころから知っている、織姫と彦星の物語とは違う、
日本独自の七夕の物語なんです。そのお話の中に登場する”ひさご”の種にちなんで、種を包んで贈ります。
「地面に埋めればあっという間につるが伸びて
天まで人を運ぶ、この魔法の”ひさご”にのって空へ昇ろうと思った。」もう一つの七夕の物語-「天稚彦(天稚彦)の物語」」より抜粋
《七夕のさうし》専修大学図書館(部分)【後期】(会期中展示替えあり)
3.絵巻包み
「天稚彦(あめわかひこ)の物語」の絵巻を包んで、
大切なあの人に”もう一つの七夕の物語”を教えてあげましょう。「天稚彦(あめわかひこ)の物語」には、こんなシーンもあります…!
《七夕のさうし》専修大学図書館(部分)【後期】(会期中展示替えあり)ぜひ展示室で、本物の絵巻をご覧ください!
4.お守り袋
大切なあの人に似合うお香を選び、願い事を書いた紙とともに包み込みます。
幸せが逃げないように、また、良いことが二重に重なるように、
最後に”二重守り袋結び”をします。
結びはちょっと難しいので中学生以上です。
でも、小学生の参加者のために、結んだ紐も用意していますのでご安心ください!
5.年玉包み(大人向け)
折り鶴が可愛いぽち袋。
お金だけではなく、お手紙やお菓子など入れてもいいですね。
6.祝い包み(大人向け)
日常の中で目にすることの多い”折形”「結婚祝い包み」。
折り方と一緒にその意味も学べます。お友だちの結婚祝いや、習い事のお月謝袋等、
自分で折ることができたら、とっても素敵ですね!.
..以上、6つのプログラムを用意しました。
オープンアトリエは、毎回リピーターの方が多いワークショップです。
1つと言わず、ぜひ6つともチャレンジしてみてください。そして、皆さんの生活の中に、”折形”を取り入れていただけると嬉しいです。
オープンアトリエでは、地元の大学生ボランティアさんが、
参加者の皆さんの制作をサポートします。先日、みんなで折形の練習会をしました。
「難しい作業もあるけど、完成した時の喜びは一入ですね!」とT君。この夏、”折形”に挑戦してみませんか?
ワークショップ室でお待ちしております!しずびオープンアトリエ ”折形”とあそぼう!詳細はこちら。
(m.y)
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2012年07月28日 8/3(金)まで!「七夕の美術-日本近世・近代の工芸にみる」展と併せてご覧ください!~JR清水駅前「マリナート」にて、平野富山展を開催中~
突然ですが、平野富山(ひらのふざん 1911~89)という作家をご存じでしょうか。当館の展覧会を毎回欠かさずチェックして下さっている貴方なら、ピン、と来て下さっているはず。そうです、当館の昨年度末に開催した「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展の後期展示にて紹介した、旧清水市江尻出身の彩色木彫家です。
”彩色木彫”という言葉はあまり聞きなれないかもしれませんが、言葉どおり、木彫に日本画と同様の技法を使って彩色した像のこと。富山は、この”彩色木彫”という伝統的な日本の彫刻を現代に甦らせた、重要な作家です。
まずは作品をご覧ください。
いかがでしょう。これ、すべてが”木”でできています。
「えっ?」と思われた方もいるでしょう。実際、本物を見るとまるで木彫像に衣裳を着せたかのようです。お客様の中にも、説明をして初めて「えっ?このヒモも木なんですか!?」と驚かれる方がいます。
まずここで、富山の確かな木彫技術に気づかされます。
そして、富山の真骨頂は、木彫に施された彩色。
ため息が出るような、緻密で美しい文様に圧倒されます。衣裳のたわみに沿って、実に見事につじつまが合っています。そう、衣裳を本物と見間違えてしまうのは、木彫技術の正確さに加え、この素晴らしい彩色に理由があるのです。
さて、たいへん遅くなりましたが、8/1(水)にJR清水駅みなと口に新しくオープンする「静岡市清水文化会館マリナート」にて、7/25(水)より「平野富山展―江尻が生んだ彩色木彫の名匠」展を開催中です。
富山没後の平成元年、ご遺族より旧清水市に富山の作品や、彼の収集品がまとまって寄贈されました。本展は、マリナートのオープンを祝して、今後ますます富山が市民の方々に親しまれ、愛して頂けるようにと企画したものです。
会場には、富山の彩色木彫作品はもちろんのこと、富山が真に彫刻を理解するためにと取り組んだ、塑像(西洋彫刻)作品も展示しています。
彩色木彫に取り組む傍ら、日展の彫塑部門に塑像を毎年出品し、最終的には日展の評議員にまでなった方。その才能は専門家にも高く評価されています。
その他、富山が収集した膨大な作品群より、富山が師と仰いだ2人の作家の作品も紹介しています。
まずは17才の若き富山が単身上京し、弟子入りした人形師、池野哲仙(いけのてっせん)の作品。こちらは、平成元年に寄贈を受けてから、久々の公開となります。そして、富山が生涯の師と仰いだ、平櫛田中(ひらくしでんちゅう)。田中は、言うまでもなく日本近代彫刻の巨匠であり、実は、田中作品の彩色のほとんどを富山が手掛けているのです。富山に彫塑を学ぶようにとアドバイスしたのも田中です。
富山は田中より、講談社より発行された『平野富山木彫作品集』に、「集雅」という文字を題字に頂いています。今回、その原本を展示。田中と富山の温かな師弟関係が伺える作品です。
この展覧会は、8月3日(金)まで。会期残りわずかですが、ぜひ、多くの方々にご覧いただきたいと思います。なんと入館料は無料!!
現在静岡市美術館で開催中の「七夕の美術-日本近世・近代の工芸にみる」展を鑑賞したら、JRで約10分の清水駅へ!みなと口から徒歩3分です。新しく完成した「マリナート」に、ぜひお出かけください。
そして、最後に!
「マリナート」ではこの展覧会後より、平野富山作品の常設展示が始まります。小スペースではありますが、年間を通して3回の展示替え(4か月に1回作品を入れ替えます)を行います。
「マリナート」に行けば、いつでも富山作品が見られる!そんな風に皆さまに知って頂ければうれしいです。
(s.m)
展覧会の概要はこちら↓
静岡市文化振興財団公益財団法人移行記念・マリナート開館記念
平野富山展―江尻が生んだ彩色木彫の名匠開催期間:平成24年7月25日(水)-8月3日(金)※7月30日(月)は休館
会場:マリナート1階 ギャラリー
開場時間:10:00~17:00
観覧料:無料
主催:(公財)静岡市文化振興財団/静岡市
企画:静岡市美術館
お問い合わせ:静岡市清水文化会館マリナート
TEL:054-353-8885
住所:〒424-0823 静岡市清水区島崎町214 -
2012年07月25日 天の川の写真が届きました☆
「七夕の美術」展に合わせ、美術館のエントランスホールに出現した「羽衣天の川」。
これを見学した静岡市立安東中学校芸術部の皆さんが、学校に天の川を作ってくれたそうです!
中学校の美術室前の廊下だとのこと。
細長い廊下の形を生かした天の川、とてもきれいです。天の川の星となっているのは、造形作家・日詰明男さんの考案した幾何学模型、トルネード。
黄金比を応用して作られた図形を、カッターで丁寧に切り抜いて立体を作ります。↓これが切り抜く前の姿。
↓切り抜いて折り目をつけるとこうなります。
作ってくださった皆さんの感想は…
「切るところと切らないところの幅が小さくて、めげそうになったことは
何度もあり、大変でした。でも完成したときは充実感でいっぱいでした。
一度でいいから自分が作った天の川を織り姫になって渡ってみたいです。」「みんなの思いが集まってできた天の川みたいな天井は、
とってもステキで、ずっと見ていたくなります。」とのこと。
本当に素敵ですね!安東中芸術部の皆さん、ありがとうございました!!
さて、「七夕の美術」も後期展示となり一部の作品が入れ替わりました。
伊東深水の《銀河祭り》(東京藝術大学蔵)をはじめ見逃せない作品が新たに加わっています。
展覧会は8月19日(日)まで。ぜひお見逃しなく!(k.y.)
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2012年07月22日 「ブルース・オズボーン 親子写真展」本日より開催!
本日7月22日(日)から8月26日(日)まで、静岡市美術館 多目的室にて
「ブルース・オズボーン 親子写真展 ~未来の私たちへの贈り物~」を開催中です。
写真家のブルース・オズボーンさんは、自身のライフワークとして
30年前から「親子」をテーマに写真を撮り続けてきました。今までに撮影した親子は3,500組を超えます。
また、10年前から7月の第4日曜日を「親子の日」とし、
親と子が向き合い、お互いの絆を強めるきっかけの1日にしようと提唱しています。…つまり、今日がその「親子の日」なのです!
毎年親子の日には100組の親子を撮影し、その活動も今日で10周年を迎えます。
今日も東京のスタジオで、オズボーンさんは100組の親子を撮影中とのこと!
6月17日(日)、ここ静岡市美術館でもオズボーンさんによる親子撮影会を開催しました。
(当日のワークショップの様子はこちら)その際撮影した、静岡の親子20組の写真に、
オズボーンさんが30年間に渡り撮り続けてきた貴重な親子写真52点を加えた、
計72点を展示しています。
静岡の親子20組の中には、なんと田辺静岡市長親子のお写真も!
その他にも…
さまざまなジャンルで活躍するの著名人親子の写真がずらりと並びます。
「あの人のお母さん(お父さん、お子さん…)、こんな方だったんだ!」
「やっぱり似てる!」
…と、作品を見ていると話しが尽きません。
初日である今日、早速「親子撮影会」に参加されたご家族が観に来てくださいました!
観覧無料ですので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
「ブルース・オズボーン 親子写真展 ~未来の私たちへの贈り物~」
詳細はこちら。
(m.y)
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2012年07月19日 ミュージアム カフェ トーク 七夕をめぐって
2012年
6月30日(土)13:30 静岡科学館る・く・る イベントホール
7月 1日(日)16:00 静岡市美術館 多目的室いま静岡市美術館で開催中の展覧会「七夕の美術」は、JR静岡駅前に位置する3つの文化施設による「静岡音楽館AOI×静岡科学館る・く・る×静岡市美術館 共同事業」のひとつ。それぞれで七夕をめぐるさまざまな事業が展開されているが、6月30日と7月1日にはミュージアム カフェ トークが行われた。
6月30日は静岡科学館る・く・るで国立天文台副台長・渡部潤一による講演会。織姫(ベガ)と彦星(アルタイル)は16光年(諸説ある)も離れているので、光の速度でも毎年逢うことはできないが、星の生涯を人間の生涯に換算すれば10秒に1回(諸説ある)は逢っていることになる―なんていうおもしろ味たっぷり、子どもにも判りやすい語り口で、星空の壮大なパノラマを手にとるようにありありと想い描かせ、旧暦の七夕には舟のかたちに欠ける月が、天の川をはさんで位置するベガとアルタイルをとり結ぶのだという、天体の運動に七夕の伝説が生まれた背景を読み解くみごとな解釈は、ロマンティックでありながら、しなやかな説得力があってとても愉しかった。翌7月1日は静岡市美術館で。静岡音楽館AOI企画会議委員で国立劇場芸能部副部長の田村博巳をゲストに、この展覧会をつくった学芸員・吉田恵理がコーディネーター。この展覧会は、静岡音楽館AOIの委嘱作品、寺嶋陸也の作曲による箏歌《星合曲(ほしあいのうた)》から着想された。寂蓮、山上憶良の詩(うた)を田村博巳が構成したその詞章は、寂蓮の「七夕の 逢う夜の庭に おく琴の あたりにひくは ささがにの糸」に始まるが、それはいにしえの七夕の儀式、乞巧奠(きっこうでん)にまつわる。トークでは、たぶん30分以上かけて、この31文字(みそひともじ)を丹念にひも解き、乞巧奠の奥深い世界をつまびらかにした。いまも京都の冷泉家に粛々と伝わる乞巧奠、そこでしつらえられる祭壇《星の座》がこの展覧会で再現されている。まずふつうに眼に触れられるものではない。
さらにこのトークは、日本の伝統の範疇とはいえ、奈良・平安から現代も含み、京阪、江戸、琉球に及んで、音楽と美術に風俗・風習を交えて、七夕にまつわる文化を縦横無尽に渉猟し、そこに、季節のうつろいとともにある、つつましやかな「願い」や「想い」をかいまみせた。かつての日本には、そうした趣の豊穣な世界があって、どうして私たちはそんなすてきな感性を忘れかけようとしているのだろう―。あらためて北野恒富の《願いの糸》という作品を観ると、それがただたんに美人画として優れているだけでなく、描かれた彼女の心情を、生々しいまでに活き活きと実感できる。つい100年ぐらい前まで、七夕についての前提的な了解が日本の文化的な共通理解としてあったはずだ、という認識は、けっこう重たい意味を孕んでいると思う。重たい意味を孕んではいるけれど、こんな展覧会が、七夕のほんとうの季節、初秋の風にも似て涼しげに、さりげなく、私たちが失いかけているたいせつなものを想いおこさせてくれる。
小林旬(静岡音楽館AOI学芸員)
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