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2012年08月10日 8/26(日) P・バラカン×B・オズボーントークイベント 当日の内容を少しだけ紹介!
ブロードキャスターとして活躍中のピーター・バラカン氏を案内役に迎え、
美術や音楽の基底にある、人が「アートする」という行為はどのようなものか?
毎回様々なジャンルをとおして考える本イベント。第6回目は「音楽と写真」をテーマに、8/26(日)13:00~開催します。
今回のゲストは、当館多目的室にて「親子写真展」を開催中の
写真家、ブルース・オズボーンさんです。レコードやCDに欠かせないそのアートワーク。
今回はお二人に、レコードジャケットや、その写真にまつわるエピソードなどを、
音楽とともにご紹介いただきます。iPod等のデジタル音楽プレイヤーの普及とともに、
CDやレコードジャケットを手にする機会が減った方も多いと思います。また、テレビ等のメディアが今よりも発達していなかった時代、
1つの曲にまつわる視覚的イメージは、今よりもずっと限られていたのではないでしょうか。コンサート等で生演奏に触れる機会も少なかったこの時代、
レコードのアートワークが唯一の、 ミュージシャンや曲から連想できるイメージだった
と言ってもいいのかもしれません。オズボーンさんは、アメリカ、日本で数々のミュージシャンのアーティスト写真を
手がけてこられました。1970年代半ばより、全米に配布されていた音楽情報誌
『Phonograph Record Magazine』にてカメラマンの仕事をスタート。ローリング・ストーンズのロン・ウッド、エタ・ジェイムズ、ウォーレン・ジヴォン、アバ、
エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)などの写真を新たな視点から撮り下ろし、
注目を集めました。日々音楽を紹介する側にいるピーターさんと、
その音楽のアートワークを撮り続けてきたブルースさん。一体どんなレコードを紹介いただけるのか、とても楽しみですね!
また、ビートルズなど伝説のアーティストが生まれた60年代ロンドンで生まれ育ったピーターさん。
同時期の、カウンターカルチャーまっただ中のアメリカ西海岸で青春期を迎えたブルースさん。音楽や文化にとって濃密な時間が流れたこの60年代に、
お二人は何を聴き、何を想ったのでしょうか。音楽だけでなく、それにまつわるアートワークについても語る、なんとも贅沢なイベントです!
実は・・・お二人に、当日紹介するレコードを1枚だけ、教えていただきました!
まずはピーターさんが選んだ一枚はこちら。
「このアルバムに収録されている音楽を、この写真は完璧に表しています。」
― ピーター・バラカン
言わずとしれたTHE BANDの最高傑作「THE BAND」。
俗に「ブラウンアルバム」と呼ばれていますね。ピーターさんのコメント、
端的に、的確に、このレコードの音とイメージについて言い当てておられてますね!若いのにそのすべてが渋すぎる!
そして、古い音楽の伝統を新しく解釈した音、というところでしょうか。当日はどの曲をご紹介いただけるのかも楽しみですね。
次はブルースさんの選んだ一枚はこちら!
「1976年にリリースされたBoz Scaggsのアルバム「Silk Degrees」は、そのジャケット共々、
その後のミュージックシーンに大きな影響を及ぼしました。
このアルバムの写真を撮ったのはMoshe Brakhaです。
彼のファッション写真的な技法と、情熱的な表現は、とっても魅惑的で神秘的で、
Mosheイメージによって、Scaggsの音楽が、さらに高い評価を得られたと思います。
このレコードの写真でグラミー賞をとった時、
MosheはArt Center College of Designを卒業して間もなくの頃で、
その後も音楽業界への偉業を数々残しました。」― ブルース・オズボーン
Boz Scaggsの出世作。こちらも名盤中の名盤ですね。
Boz Scaggsは、「Silk Degrees」で今までのサウンドをより洗練させ、
アルバム・ジャケットのイメージも一新。
その後AOR(Adult-Oriented Rock)という新たなジャンルを切り開き、
流行の先端をいくミュージシャンになりましたね。当日はもちろんこのほかにもたくさんのレコードをご紹介いただきます!
なお、当日は「ブルース・オズボーン 親子写真展~未来の私たちへの贈り物~」最終日!
氏のライフワークである親子写真についてもお話しいただきます。※本イベント開催のため、8 月26 日(日)は16 時まで写真展をご覧いただくことができません。
予めご了承ください。本イベントの詳細、お申込みはこちら。
申込締切日は8/14(火)です!
この機会をお見逃しなく!!!
(m.y)
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2012年07月29日 「しずびオープンアトリエ ”折形”とあそぼう!」8/1よりスタート!
春・夏の年2回、期間限定でオープンする「しずびオープンアトリエ」。
これまで、開催中の展覧会に関連した、オリジナル創作プログラムを実施してきました。昨年の夏は「没後150年 歌川国芳展」に合わせ、
国芳の迫力満点の大判三枚続の作品をもとに、飛び出すカードづくりをしたり…
https://shizubi.jp/blog/2011/07/post-51.php春には「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展に合わせ、
夢二作品をもとにした手作り「消しごむハンコ」を使って、
オリジナルレターセットやカレンダーをつくりました。
https://shizubi.jp/blog/2012/02/post-72.phpさて今回は、ただ今開催中の
「七夕の美術-日本近世・近代の美術工芸にみる」展にあわせ、
七夕などの日本の年中行事とも深い関わりをもつ
“折形(おりがた)”をテーマにしました。ところでみなさん、”折形(おりがた)”ということばを知っていますか?
“折形”とは、室町時代から続く「贈るものを紙で包む」方法で、日本の伝統文化です。
戦前までは、人々の暮らしの中にあったものですが、
最近では、あまり見かけなくなりました。展示作品の中にも、”折形(おりがた)”が描かれているんですよ。
昔の人々にとっては、身近なものだったようですね。“折形(おりがた)”の特徴は、
“相手への気持ちを込めて、贈り物を包む”ことにあります。今回は、お子さんから大人まで楽しめる、そして生活の中で役立つ、
6つのプログラムを用意しました。「七夕の美術-日本近世・近代の美術工芸にみる」展にちなんだプログラムもありますよ!
今日はその内容を少しだけご紹介します。
1.草花包み
大切なあの人に似合う草花を選んで包み込みます。
子ども用、大人用と2種類の折形を用意しました。
2.種包み
突然ですが、”もう一つの七夕”
「天稚彦(あめわかひこ)の物語」を知っていますか?私たちが子どものころから知っている、織姫と彦星の物語とは違う、
日本独自の七夕の物語なんです。そのお話の中に登場する”ひさご”の種にちなんで、種を包んで贈ります。
「地面に埋めればあっという間につるが伸びて
天まで人を運ぶ、この魔法の”ひさご”にのって空へ昇ろうと思った。」もう一つの七夕の物語-「天稚彦(天稚彦)の物語」」より抜粋
《七夕のさうし》専修大学図書館(部分)【後期】(会期中展示替えあり)
3.絵巻包み
「天稚彦(あめわかひこ)の物語」の絵巻を包んで、
大切なあの人に”もう一つの七夕の物語”を教えてあげましょう。「天稚彦(あめわかひこ)の物語」には、こんなシーンもあります…!
《七夕のさうし》専修大学図書館(部分)【後期】(会期中展示替えあり)ぜひ展示室で、本物の絵巻をご覧ください!
4.お守り袋
大切なあの人に似合うお香を選び、願い事を書いた紙とともに包み込みます。
幸せが逃げないように、また、良いことが二重に重なるように、
最後に”二重守り袋結び”をします。
結びはちょっと難しいので中学生以上です。
でも、小学生の参加者のために、結んだ紐も用意していますのでご安心ください!
5.年玉包み(大人向け)
折り鶴が可愛いぽち袋。
お金だけではなく、お手紙やお菓子など入れてもいいですね。
6.祝い包み(大人向け)
日常の中で目にすることの多い”折形”「結婚祝い包み」。
折り方と一緒にその意味も学べます。お友だちの結婚祝いや、習い事のお月謝袋等、
自分で折ることができたら、とっても素敵ですね!.
..以上、6つのプログラムを用意しました。
オープンアトリエは、毎回リピーターの方が多いワークショップです。
1つと言わず、ぜひ6つともチャレンジしてみてください。そして、皆さんの生活の中に、”折形”を取り入れていただけると嬉しいです。
オープンアトリエでは、地元の大学生ボランティアさんが、
参加者の皆さんの制作をサポートします。先日、みんなで折形の練習会をしました。
「難しい作業もあるけど、完成した時の喜びは一入ですね!」とT君。この夏、”折形”に挑戦してみませんか?
ワークショップ室でお待ちしております!しずびオープンアトリエ ”折形”とあそぼう!詳細はこちら。
(m.y)
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2012年07月22日 「ブルース・オズボーン 親子写真展」本日より開催!
本日7月22日(日)から8月26日(日)まで、静岡市美術館 多目的室にて
「ブルース・オズボーン 親子写真展 ~未来の私たちへの贈り物~」を開催中です。
写真家のブルース・オズボーンさんは、自身のライフワークとして
30年前から「親子」をテーマに写真を撮り続けてきました。今までに撮影した親子は3,500組を超えます。
また、10年前から7月の第4日曜日を「親子の日」とし、
親と子が向き合い、お互いの絆を強めるきっかけの1日にしようと提唱しています。…つまり、今日がその「親子の日」なのです!
毎年親子の日には100組の親子を撮影し、その活動も今日で10周年を迎えます。
今日も東京のスタジオで、オズボーンさんは100組の親子を撮影中とのこと!
6月17日(日)、ここ静岡市美術館でもオズボーンさんによる親子撮影会を開催しました。
(当日のワークショップの様子はこちら)その際撮影した、静岡の親子20組の写真に、
オズボーンさんが30年間に渡り撮り続けてきた貴重な親子写真52点を加えた、
計72点を展示しています。
静岡の親子20組の中には、なんと田辺静岡市長親子のお写真も!
その他にも…
さまざまなジャンルで活躍するの著名人親子の写真がずらりと並びます。
「あの人のお母さん(お父さん、お子さん…)、こんな方だったんだ!」
「やっぱり似てる!」
…と、作品を見ていると話しが尽きません。
初日である今日、早速「親子撮影会」に参加されたご家族が観に来てくださいました!
観覧無料ですので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
「ブルース・オズボーン 親子写真展 ~未来の私たちへの贈り物~」
詳細はこちら。
(m.y)
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2012年06月24日 6/17、親子撮影会を開催しました!
6月17日、プレゼントワークショップvol.5
「親子の日だ!ブルース・オズボーン 親子撮影会 ~未来の私たちへの贈り物~」
を開催しました。当館のワークショップシリーズのひとつ「プレゼントワークショップ」は、
母の日、父の日などの記念日に合わせ、
家族や大切な人への想いをかたちにし、プレゼントをつくるワークショップです。「作って、贈る」ことから生まれるコミュニケーションに主眼を置きます。
今年度は、
5月13日に母の日ワークショップ
(1週間早いですが)6月10日に父の日ワークショップ
を開催しました。5月の第2日曜日が「母の日」。
6月の第3日曜日が「父の日」。
じゃあ、7月の第4日曜日を「親子の日」にしよう!年に一度、親と子が向かい合う日があったっていいじゃないか。
そして、親と子が向き合い、お互いの絆を強めるきっかけの1日にしよう!
・・・と10年前から提唱されている方が、
今回の講師で写真家のブルース・オズボーンさんです。
また、オズボーンさんは自身のライフワークとして
30年前から「親子」をテーマに写真を撮り続けています。
今までに撮影した親子は、なんと3,500組を超えます!毎年親子の日には親子撮影会を開催し、なんと1日で100組の親子を撮影!
今年でその活動も10周年を迎えます。(親子の日HP)今回、ここ静岡市美術館でも、オズボーンさんによる親子撮影会を開催。
当日は21組の親子が参加しました。
オズボーンさんは、とっても笑顔が素敵で元気いっぱい!
みなさん、最初は緊張気味でしたが…
オズボーンさんたちの掛け声に合わせ、体を動かすうちに
少しずつ表情が柔らかくなっていきます。会場にはオズボーンさんの選曲による楽しい音楽が流れ、
見ている私たちまで自然と体が動きます。
飛んだり、跳ねたり、走ったり、
寝転がったり、抱き合ったり、肩車したり…汗だくになりながらの撮影!
最初は泣き顔だった女の子も…
オズボーンさんがカメラを向けると、自然と笑顔に!
そして、今回はなんと…!
田辺静岡市長とご両親にもご参加いただきました。
市長の素敵な笑顔は、ご両親譲りだったのですね!
参加者の中には、さまざまなアイテムや衣装を持ってきてくださった方も!
そして、撮影の合間に、10年後の自分たちへ宛てた手紙を書きます。
今回、この親子撮影会を
「プレゼントワークショップ」シリーズとして実施したのは、オズボーンさんに撮っていただいた親子写真と、
10年後の自分に宛てた手紙を
未来の私たちへの贈り物にしてほしい、と考えたからです。皆さんに書いていただいたお手紙は、
後日現像した写真と共にマットに入れ、プレゼント。10年後の親子の日…2022年7月24日に、
親子で、家族で、このマットを開け、手紙を読んでください。イメージは、平面タイムカプセル!です。
そして、オズボーンさんに撮っていただいた写真を、
みんなで、改めて、見てください。オズボーンさんの撮る親子写真は、
親子の目には見えない絆やつながりを、
未来の私たちへ残し、伝えてくれるメッセンジャーです。10年後の親子の日、みんなはどこで、何をしているでしょう。
今日の日を思い出して、10年後も、親子で、笑って、過ごせますように。
最後にみんなで集合写真!
今回オズボーンさんに撮影いただいた20組の親子写真は、
7月22日(日)の親子の日から8月26日(日)まで
静岡市美術館 多目的室で展示します。静岡の親子写真と併せて、オズボーンさんが長年撮り続けてこられた
貴重な親子写真数十点も展示します!
みなさんも知っている有名人の親子写真も多数展示予定です。皆さん、ぜひお越しください!
会 期:2012年7月22日(日)~8月26日(日)10:00~19:00 観覧無料
会 場:多目的室
休館日:毎週月曜 但し8月13日(月)は臨時開館
8月7日(火・終日)、8月26日(日・16時まで)は他事業開催のため観覧いただけません。また、静岡市美術館ミュージアムショップでは、
入手困難なオズボーンさんの親子写真集等を取り揃えております!
他ではなかなか手に入りません!
数量に限りがありますので、ご希望の方はお早めにお買い求めください。※掲載しているカラー写真は、美術館スタッフが撮影したものです。
オズボーンさんの撮影した親子写真は、ぜひ写真展会場でご覧ください!(m.y)
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2012年06月23日 6/10 『父の日だ!2世代で贈るプレゼントづくり』を開催しました!
父の日より1週間早い6月10日(日)に、
プレゼントワークショップvol.4
『父の日だ!2世代で贈るプレゼントづくり』を開催しました。参加してくれたのは、小学生とそのお父さん9組18名。
タイトルにもあるように、子どもからお父さんへ、お父さんからおじいちゃんへ、
2世代でプレゼントを贈り感謝の気持ちを伝えよう、
というのがこのワークショップのコンセプトです。お父さんにも参加してもらうワークショップは当館初の試みで、申込が心配されましたが、
当日はちょっと照れながらも輝くような笑顔で、親子そろって参加してくれました!さっそく、ワークショップの様子をご紹介します。
まずはじめに、子どもとお父さんは別々の席にすわって、
“お父さんチェックシート”に挑戦。もちろん、お父さんもおじいちゃんのチェックシートに挑戦します。
「お父さんの趣味は?」
「お休みの日は何してる?」
「お父さんとのいちばんの思い出は?」ちょっと苦戦ぎみな子ども達も、お父さんのことを考えている様子はうれしそうです。
チェックシートの次は、カンディンスキー、クレーら著名な美術家の抽象絵画を鑑賞します。
「どんなかたちが見えるかな?」の問いかけに、
こちらが狙っていた通りの答えが。「まるとか、さんかくとか、しかくとか!」
「あ、森の中にねこがいる!」
その後、今回のワークショップの原案にもなった、
開催中の展覧会「森村泰昌モリエンナーレ学ぶ美術史」出品作である、
森村さんが描いた絵をじっくり鑑賞します。子ども達は●▲■を基調とした抽象的な作品を自由に何かに見立て、
どんどんと声に出していきます。お父さん達も、なるほど~と感心した様子。
ここで初めて、今回制作するものについての説明を。
「●▲■でお父さんとの思い出をTシャツに描きます!」
そう、今回は「お父さんとの思い出」という、
絵で表現しようとするとちょっと難しいテーマを、
●▲■という形を使って、子どもたちでも簡単に、
照れてしまいがちなお父さんも気軽に取り組んでもらおうというものです。
ここから、子どもとお父さんは隣同士で座って、制作開始。
Tシャツに描く前に、●▲■の様々なパズルをつかって
「お父さんとの思い出」の下図を作っていきます。「お父さんと川に魚釣りにいった時のようすだよ!」
「お父さんと工作して遊んだ思い出にしたいんだけど…」
お父さんの下図を覗き込んだり、相談に乗ってもらったり。お父さんも子ども達もとても楽しそう。
いよいよ、本番です。
●▲■に切り抜いた型枠をTシャツに当て、
その上から布用インクをしみこませたスポンジで、
ポンポンと押していきます。用意した色は7色ですが、
色と色を重ね合わせればとても面白い表現ができあがります!お父さん達は真剣そのもの、お一人お一人、
こだわって作っていらっしゃいました。終わった人から、おじいちゃんが来るまでの時間を利用して、
子どももお父さんも、お父さんに向けてお手紙を書きます。おじいちゃんが到着されたところで、みんなで一斉にTシャツを手渡し。
せっかくなので、お父さん、おじいちゃんにTシャツを着てもらいました!
そして、一列にならんで記念撮影。
お父さんも子どもも、みんないい表情をしていますね。
普段はお仕事などで忙しいお父さんと、
ワイワイいいながら、時にはケンカしながら?
半日がかりでTシャツを制作。お父さんについて、お父さんと自分との関係について
じっくり考える機会にもなりました。こうやって、お父さんと一緒に、Tシャツづくりをしたという思い出自体が、
父の日の思い出として、ずっと子ども達の心の中に残ってくれればいいなと感じた、
スタッフたちもとても幸せな気持ちになれた一日でした。お父さんとの工作の思い出 ハサミが効いてます!
(s.m)
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2012年06月05日 タワー完成しました![日詰明男 フィボナッチタワーをつくろう]
先週末の6/2(土)、3(日)に、フィボナッチタワーの組立作業を行いました。
前回の記事では、部材の制作について書きましたが、いよいよ、完成までのレポートです。
組立前日となる6/1(金)の夜、日詰さんが現場確認と、タワー基部となる杉板の搬入に来ました。
これが杉板。長いもので2m40cmあります。全部で35枚です。
カーペットを敷いて、実際の配置箇所に置いてみます・・・・
五角形になります。
この上に、竹を組んでいくわけですね。
さて、作業当日です。
10名前後のボランティアさんに加わっていただき、組立作業を行いました。
前日に杉板で作ったパーツに、次々と板を組んでいきます。
板の組み方は校倉造(あぜくらづくり)。
奈良の東大寺にある「正倉院」と同じ造りですね。
人の背丈ほどの高さになりました!
ここから竹を組んでいくわけですが・・・
竹を開口部に入れています。
タワーの内側から登り、組み上げて行きました。
上から見た一枚。
ヒモやビスなどは一切使いません。全て竹の杭を打ち込んで、組み立てます。
ここから早かったです。サクサク組んで行きました。
途中経過です。らせん状に組んであるのがお分かりになるでしょうか。
内側はこんな感じです。
ハシゴも使っていますが、白いヒモで結わえてあるのは、竹製の足場です。
細くてタワーの部材に使えない竹も有効利用しました。
タワーの傍らでは、このように部材をスタンバイ。
杭を刺した状態で、順次竹を手渡ししていきます。
ブルーのシャツでてっぺんにいるのが日詰さん。
途中の写真ですが、すごい高さ!
笑顔。いいお顔です。
タワーに登っての組立作業は、全て日詰さんが行われました。
133本の竹、しかも高所での作業ですので、大変な作業だったと思います。
作業は順調に進み、3日の午後に、タワーは完成しました。
8mの作品は、かなりの迫力です。
それは、見上げているボランティアの方の身長と比べてみても、お分かりいただけるかと思います。
道ゆく方々も「これは何??」という感じで、歩みを止め、見て下さいました。
内部から見上げるとこんな感じ。
らせんのかたちがキレイですねー。
てっぺんから鎖が降りています。これは何かというと・・・
鐘が繋がれてるんですね。
飾りではありません。塔の頂点から重りを吊るすことで、地震が起きてもタワーが揺れない免震構造を備えているわけです。
これ、京都の五重塔と同じです。
こんなに大きな作品は、作家や美術館スタッフだけでは、到底作ることはできません。
ボランティアで加わっていただいた、29名の方々のお力添えがあってこそだと思います。
本当にありがとうございました。
この作品は、8/24(金)まで展示します。
今年は現代アートの作品で、七夕を楽しんでみるのはいかがでしょうか。
お買いもののついでに、ぜひお立ち寄り下さい!
(R.A)
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2012年05月24日 すこしだけ組んでみました。[日詰明男 フィボナッチタワーをつくろう!]
今日から「日詰明男 フィボナッチタワーをつくろう!」二週目の作業が始まりました。
今週の主な作業は、先週カットした竹に、杭をとおす穴を開けることです。杭も引き続きつくります。
作業の場所も、美術館のトラックヤード(車庫)に移りました。
そういえば、トラックヤードは、関係者以外は知らない、美術館の秘密の場所です。
場所は葵タワーの1階。
展覧会準備のために運ばれてきた作品の搬入作業場(奥のエレベーターで3階の美術館フロアまで運び入れます)、または、展示室設営業者さんや、関連イベントの講師用駐車場などなど、実はわりと活躍するスペースです。
大きさは、10t車まで入ることができます。
・・・そんなスペースが、いまは・・・・・
床一面、竹で覆われています!
・・・4~5mの竹50本を、約140本にカットしましたからね。かなりの存在感です。
歩くスペースを見つけるのも厳しいため、足場用に、竹の上にコンパネを敷いてます。(画面左)
さて、作業風景です!
まずは採寸。
決まった竹を順序立てて組み上げていくため、開ける穴の位置を間違えると、大変なことになります。
慎重に。慎重に。
日詰さん気合い入ってます。
そのあと、先に細いドリルで下穴を開けます。
両脇の女性スタッフ、何をしてるか分かりますか?
じつは2人で、各方向から垂直を見ているのです!
日詰さんが手にしているドリルにも、水平器が付いています。
竹を置く台座と、空いた穴それぞれに竹ヒゴを通し、横から見て二本が重なっているか、
ここでもチェック。
下穴が全て開いたら(表裏4ヵ所ずつ)、杭を通すために、太いドリルで改めて穴を開けます。
これを繰り返します。今日は30本ほど開けました。
穴を開け終わり、ひと段落だ、と思ったその時。日詰さんからある言葉が。
「ちょっと組んでみましょうか。テストを兼ねて。」
や、やってみましょう!(ちょっとびっくりしつつ、ワクワクしました)
日詰さん、手慣れた様子で組んでいきます。
並べて・・・
杭を差し込みます。
組み合わさるとこんな感じ。
ちょっとかたちが・・・見えてきました!
竹の角度によって、杭が入りにくいところもありました。みんなで調整!
そして・・・
組み上がり!五角形になりました!!
みんなで記念撮影。
休憩がてら座ってみました!(笑)
いま写真では6人が座っていますが、竹はびくともしません。
杭だけで繋がるというシンプルな構造ながら、とても堅牢なんです。
なんだかこのままベンチになってしまいそうな和やかな雰囲気に。
日詰さんの即席数学講座も始まりました。
「黄金比の造形物は、いやってほど非周期的なかたちをしています。でもそれが面白いんです。」
作家と一緒に作業し、作品の魅力を知る。これぞワークショップの醍醐味ですね!
今週いっぱい、こうした作業が続きます。
作業は、ボランティアスタッフの方のおがけで、とても順調です。
引き続きレポートしてゆきます。どうぞお楽しみに!
(R.A)
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2012年05月20日 タワー制作はじまりました! [日詰明男 フィボナッチタワーをつくろう!]
こんにちは。学芸課のAです。
みなさま、この週末はどこかお出かけになりましたか?天候に恵まれた、気持ちの良い日でしたね。
美術館では、この週末に新しいイベント「日詰明男 フィボナッチタワーをつくろう!」がスタートしました。
これは、6/23(土)から8/19(日)まで開催する夏の展覧会「七夕の美術-日本近世・近代の美術工芸にみる」展の関連事業として、川根本町在住の造形作家、日詰明男(ひづめあきお)さんをお呼びし、実施するものです。
日詰明男さんHP
http://www.starcage.org/japaneseindex.html
内容は、28名の一般のボランティアの方とともに、竹を使って、約8mのタワーを、葵タワー1階の国道側ロビーに8日間で作る、というもの。
・・・いまちょっとサラッと言いましたが。
くりかえしますね。8mの竹のタワーです。
気になりませんか・・・?
さっそくご報告です!
この方が日詰さん。
植物の葉の付き方や、惑星の運行など、自然界に存在する不思議な比率「黄金比」をテーマに、造形作品や音楽を制作されています。
イベント初日となる19日(土)は、午前中、事前説明会が行われました。
日詰さんから参加者のみなさまに、今回のイベントのことや、日詰さんが研究している「黄金比」のこと、ご自身の作品のことなどなど・・・約2時間に及ぶ、熱の入ったレクチャーでした。
午後は、作業現場となる「石上木材竹材店」さんに移動。
素材である長い竹の切り出しと、タワーを組み立てる際に、竹と竹をつなぐための「杭」の制作にかかりました。
まずは、竹林から切り出したままの、竹の根元を切って、かたちを整えます。
太さごとに仕分け。
みんなで頑張ります!
この竹の量。そしてこの長さ!
これをタワーの部材用に、一本一本カットしていきます。
全部で約140本に切り分け。
ミリ単位で長さを調整するため、慎重に採寸。(黒のキャップの男性が日詰さん)
切るときは思い切ってカット!
みなさん、みるみるうちにノコギリの使い方が上手くなっていました。
制作予定数は300本!ガンガンつくります!
そんななか、石上さんちをブタくんが訪問。
・・・かわいかったです。
仕事を忘れてたわむれるみんな。ブタくんは食欲旺盛でした。
あんなに長かった竹が、作業終了時刻にはこんなかたちに。
(これはほんの一部。20日の午前中に全て切り終えました)
19日、20日と、非常に多くのスタッフの方にご参加いただいたおかげで、とてもスムーズに
作業を行うことができました。
これからは、作業現場を美術館に移動し、切り出した竹に穴を開けていく作業となります。
進捗、随時レポートしていきます!
最後に。
このタワー、どんな姿になると思いますか?
予告の意味も込めて、ちょっとだけ紹介です。
6/3(日)に完成予定です!
みなさま、こうご期待。
(R.A)
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2012年05月17日 母の日ワークショップを開催しました。
5月13日の母の日に
プレゼントワークショップvol.3
「母の日だ!2世代で贈るプレゼントづくり」を開催しました。昨年度よりスタートした”プレゼントワークショップシリーズ”。
記念日に合わせて、家族や大切な人へ贈る、
プレゼントをつくるワークショップです。
プレゼントを「つくって、贈る」ことの大切さや、
そこから生まれるコミュニケーションを見つめ直します。vol.1は父の日に(当日の様子はこちら)
vol.2は敬老の日に(当日の様子はこちら)
そして3回目である今回は、母の日に実施しました。今回は子どもからお母さんへ、お母さんからおばあちゃんへ、
2世代でプレゼントをつくって贈り、
いつもお世話になっているお母さんへ、感謝の気持ちを伝えます。プレゼントは”オーブン陶土”という、自宅のオーブンで焼くことのできる
陶芸用粘土3色(ベージュ・赤・黒)を使用して
土の風鈴…土鈴(どれい)をつくりました。母の日のシンボルと言えば”カーネーション”ですが、
今日は参加者ひとりひとりが、カーネーションに代わるお母さんのシンボルを考え、
それをモチーフに風鈴をつくります。まずは、お母さんワークシートにチャレンジ。
お母さんお名前は? 年齢は? 好きな食べ物は?
お母さんのことをどのくらい知っているか、
かんたんな問題に答えてもらいました。お母さんたちも一緒にチャレンジ。
次に、もう少し深く、お母さんについて考えてもらいます。
お母さんのどこが好き? お母さんとのいちばんの思い出は?この内容をヒントに、カーネーションに代わる、
自分のお母さんだけのシンボルを考えます。音楽が好きなお母さんは、音符のかたち。
お料理が得意なお母さんは、エプロンやお鍋のかたち。
ディズニーランドの思い出をもとに、ミッキーマウスの顔のかたち。
などなど。成形後は、”どべ”という、同じ粘土を水で溶いて泥のようにしたものを、表面に塗ります。
ベースとは色違いの”どべ”を塗り、
その表面を竹串でひっかく”掻き落とし”という技法を用いて絵を描きます。
風鈴の”リンリン”と鳴る玉の部分も、思い思いの形に仕上げます。
作品完成後、お母さんに手紙を書きます。
午後4時。おばあちゃんの到着です。
作品の上にかけていた目隠しを一斉にはずして…
子どもからお母さんへ。お母さんからおばあちゃんへ。
2世代で同時に手作り風鈴をプレゼント。どんな想いでつくったのか、お母さんとの今までの思い出とともに、お母さんに伝えます。
お母さんからおばあちゃんへプレゼントを渡すとき、
子どもたちは熱心にその話を聞いていました。お母さんとおばあちゃんにも、ふたりだけの大切な思い出があるんだね。
その後も、お手紙を渡したり、お母さんワークシートの答え合わせをしてもらったり、
しばらく会場は、みんなの笑い声で溢れていました。風鈴は、3日~1週間程度乾燥させた後、
オーブン等で焼くと素焼きのような風合いになります。
ひもを通して風鈴のかたちにすると、”カラン、コロン”と素朴な音がします。風鈴のかたちによって、ひとつひとつ音がちがうんですよ。
みんなの風鈴はどんな音がするのかな?
お母さんの風鈴と聞き比べてみてくださいね!最後に、現在申込み受付中のプレゼントワークショップのお知らせです。
来月は2回も開催します!vol.4 6月10日(日) 父の日だ!2世代でつくるプレゼントづくり」
(※父の日当日ではありませんのでご注意ください。)Vol.5 6月17日(日) 「親子の日だ!ブルース・オズボーン 親子写真展 ~未来の私たちへの贈り物~」
どちらも申込締切日は5月31日(木)です。
皆さんからのたくさんのご応募、お待ちしております!(m.y)
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2012年04月07日 3/20「春分の日だ!春もようのパンをつくろう」を開催しました。
3月20日春分の日に、ドミニック・ジュラン静岡駅前店の協力のもと、
暦とあそぶワークショップvol.1
「春分の日だ!春もようのパンをつくろう」を開催しました。今回作るのは、食べられるパンではなく、飾ることを目的とした”飾りパン”です。
フランスやドイツには伝統的な飾りパンの文化がありますが、
日本では飾りパン自体、あまり知られていません。今回の講師、ドンクのグランシェフ・江﨑さんは、
日本における飾りパンの第一人者です。今回は、江﨑さんから直接飾りパンづくりを教えていただける貴重な機会。
また、江﨑さんのほか、5名のパン職人さんが丁寧に作り方を指導してくださいました。まず、当日は”春分の日”ということで、
みなさんに”春”について考えていただきました。春といえば? 春に食べるものは? 春に咲く花は?
「入学式! 桜! いちご! つくし!」
思い浮かんだものを、みんなでワークシートに書きこんでいきます。次に、開催中の展覧会「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展(3/25終了)をみんなで鑑賞。
今日は、夢二の作品の中から春のもようを見つけ、それを飾りパンのテーマにします。椿に桜、ふきのとう、いちご、よもぎの葉…
作品をよーく見てみると、春をイメージさせるモチーフがいっぱい。ワークショップ室へ戻り、展示室で見つけた春のもようと、
ワークシートに書きだしたみなさんの春のイメージを合わせ、
飾りパンのイメージを絵にします。下書きが完成したら、早速飾りパンづくりに入ります。
まずは伝統的な飾りパンのモチーフ、チューリップ作りに挑戦です。
あらかじめご用意いただいた土台と、カラフルな色の生地。
江﨑先生の作り方をよーく見て…
みんなもさっそくチューリップ作りに挑戦です。
約1時間で、みなさん素敵なチューリッププレートが完成。
次に、チューリップ作りで学んだ飾りパンの技術を活かし、
本番の”春もよう”の飾りパンづくりに入ります。
そして…完成した飾りパンがこちら!
みなさん、はじめてとは思えないほど素晴らしい作品が出来上がりました。
最後に…江﨑さんからみなさんにバラの飾りパンのプレゼントが!
参加者の皆さんのために、丸3日かけて作ってくださったそうです。ワークショップ終了後、みなさんの飾りパンは
地下1階のドミニック・ジュラン静岡駅前店へ運び、焼き上げた後、
再びワークショップ室へ移動し、ニスを塗ります。ニスを塗って完成した作品がこちら。
作品には夢二作品の中から見つけた春や、
皆さんの春のイメージのモチーフがいっぱい。皆さん、ぜひお家に飾ってくださいね!
暦とあそぶワークショップは今年度も継続して実施していきます。
次回をどうぞお楽しみに!さて、昨年度は計114回のワークショップを実施し、
なんと1,193名の方にご参加いただきました!今年度もさまざまなワークショップを開催していきますので、
皆さんHPをこまめにチェックしてくださいね。只今参加者募集中のワークショップはこちらです。
「母の日だ!2世代で贈るプレゼントづくり」
(m.y)
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