• 2013年08月16日 ルドン展 見逃せない作品!【前篇】

    6月29日から始まった「オディロン・ルドン 夢の起源 幻想のふるさと、ボルドーから」も

    会期残すところ、あと8日。

     

    会期中は、本展監修者の山本敦子先生や多摩美術大学教授の本江邦夫先生の講演会をはじめ、

    閉館後にワインと展覧会を楽しむ特別鑑賞会、ルドンと同時代の音楽をピアノで楽しむ「ミュージアム・サロン・コンサート」、

    ギャラリートークなど、さまざまなイベントが行われました。

    そして、ルドンも使っていたパステルで絵を描くプログラム

    「しずびオープンアトリエ ルドンの”色”とあそぼう!」も、いよいよ今週末18日までとなります。

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    残りわずかの会期ですが、ルドン展のこれだけは見逃せない!

    という作品をご紹介したいと思います。

     

    今回の展覧会はルドンが生まれたフランス、ボルドーにある、

    ボルドー美術館から約40点が出品されています。

    ボルドー美術館は、ルドンの青年期の作品をはじめ、

    画家のルーツを辿ることができるような重要な作品を所蔵しています。

     

    ルドンは39歳の時、版画集『夢のなかで』を制作し、実質的な画家としてデビューします。

    皆さんお馴染の、にやりと笑う10本足の蜘蛛や、目玉のついた気球、

    人間の顔がついた花など、黒一色の怪奇で幻想的な世界を展開するのですが、

    50歳をすぎると油絵やパステルを使った色の世界へと変貌します。

    この≪神秘的な騎士、あるいはオイディプスとスフィンクス≫は、

    ルドンが「黒」から「色彩」へと移行する時期に描かれた作品です。

     

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    オディロン・ルドン≪神秘的な騎士、あるいはオイディプスとスフィンクス≫1892年頃 木炭、パステルで加筆、画布で裏打ちした紙 ボルドー美術館

    神殿のような背景や描かれた人物から、ルドンが影響を受けた画家の一人

    ギュスターヴ・モローの≪オイディプスとスフィンクス≫や≪オルフェウスの首をもつトラキアの乙女≫を思わせます。

    けれどこの作品は、2つの神話の要素が入り混じっていたり、細部まで描いていなかったり…

    と曖昧な部分が多いです。ルドンにとっては、神話や宗教の物語を正確に描くことよりも、

    自らの内面のイメージを描くことが大事だったのかもしれません。

     

    また、この作品は黒の時代に多用していた木炭で描いた上に、パステルで加筆されています。

    白のハッチングや、青の光るような深い色彩は、実際の作品を前にしてこそわかる美しさです。

    謎めいた主題、描ききらない曖昧さ、禁欲的な色彩など、決して派手さはないですが、

    観るものに様々なことを想起させる、まさに象徴性を感じさせる一枚です。

    この作品は神秘主義的な美術雑誌『心(ル・クール)』で大体的に紹介され、

    評判を呼んだ作品としても知られています。

    ちなみに、ルドンはこの時期、神秘主義者たちが集まるオカルトちっくな書店で個展も開いていたりもします。

     

    そして、会場の最後に飾られているこの作品。

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    オディロン・ルドン≪聖母≫1916年 油彩、画布 ボルドー美術館(オルセー美術館からの委託)

    ルドンは1916年76歳で亡くなりますが、

    亡くなった時にアトリエのイーゼルに載せられていたのがこの作品でした。

    時代は第一次世界大戦の真只中、ルドン最愛の息子アリは前線にいて、父親の最期には間に合いませんでした。

    祈るような聖母の姿は、アリのために描かれたようです。

    ボルドー美術館には、そのアリが保管していたコレクションが寄託されています。

    本作は未完の作品ですが、このような作品に出会えるもの、本展だからこそ。

     

    どうぞお見逃しなく!

     

    (a.i.)

  • 2013年08月14日 「オディロン・ルドン 夢の起源」展、1万人達成!

    昨日8月13日、「オディロン・ルドン 夢の起源 幻想のふるさと、ボルドーから」の観覧者が1万人を達成しました!

    1万人目のお客様は、市内中学校に通う中学生たち。夏休みの宿題で、展覧会を観に来てくれました。

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    当館学芸課長より記念品を贈呈しました。
    記念品の中には、ルドン展の図録も。宿題の参考にしてくださいね!

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    顔出しパネルを使って、記念撮影。

    この後、じっくり展覧会をご覧いただきました。ありがとうございます。

    「オディロン・ルドン 夢の起源」展は、8月25日(日)まで開催!
    みなさま、ぜひご来館ください。

    展覧会「オディロン・ルドン 夢の起源 幻想のふるさと、ボルドーから」
    会期:6月29日(土)~8月25日(日)
    休館日:月曜日
    観覧料:一般1100(900)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料
    *(  )内は当日に限り20名以上の団体料金

     

    (c.o)

  • 2013年08月07日 しずびオープンアトリエ「ルドンの”色”とあそぼう!」毎日開催中です!

    暑い日が続きますが、皆さま体調などくずされておりませんでしょうか??

     

    さて、ただ今静岡市美術館では、この季節恒例「しずびオープンアトリエ」を開催中です!

    所要時間1時間、参加料200円、予約不要という、気軽に参加できるこのプログラム。
    今年の夏は「オディロン・ルドン 夢の起源 幻想のふるさと、ボルドーから」展にあわせて、

    フランス・ボルドー生まれの画家ルドンも使った、”パステル”を使って絵を描く内容になっております。


     
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    みなさん、パステルという画材をご存じですか?
    パステルは、粉状の顔料を粘着剤で棒状に固めたもの。
    顔料がそのまま紙にのるから、発色がとてもきれいです。

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    では、プログラムの様子をご紹介していきます。

    まずはこちらの絵をご覧ください。

     

    これは、ルドンが17歳の頃に知り合った、アルマン・クラヴォーという植物学者が描いた

    《植物学素描1 標本画5 裸子植物》

    《植物学素描1 標本画30 藻類》です。

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    顕微鏡からみた裸子植物、藻類。よく見ると、本当におもしろい形がいっぱいです。

    ルドンも、”肉眼ではみえない未知の世界”に大きな影響を受けたそうです。

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    今回のプログラムでは、この裸子植物や藻類を

    夢の中の「生き物」に見立ててパステルで色付け、そして最後に”眼”を入れて仕上げていきます!

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    9種類の「生き物」から1つを選んだら…

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    まずは、背景から色付け!ソフトパステルから同系色3色を塗り重ねていきます。
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    次に生き物。背景で選んだ色とは反対色の”補色”から選択します。ここで役にたつのが色相環!

    背景が黄色だったら、生き物は青になりますね。

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    次の工程では、「生き物」を立体的にしていきます。

    細かい線を重ねるのに向いているハードパステルで描いていきます。

    蛍光色のハードパステルも用意しています。

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    線を同じ方向、網掛け、長いストロークなど、いろいろ工夫しながら引くことで…

    こんなに、生き物が活き活きと見えてきました!
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    さあ、ここから仕上げに向かっていきます。
    生き物をより強調するために、背景を塗っていきます。

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    最後のキモが、”眼”入れ!!

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    完成した「生き物」たちがこちら!!

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    「前回のオープンアトリエが楽しくって!」と今回も参加して下さった方々や、

    パステルは初めてだったけど、丁寧に教えてくれてすごくわかりやすかったとの声も!

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    しずびオープンアトリエは、8月18日まで、毎日開催しています!
    小学生以上であればどなたでも、もちろん大人の方も大歓迎ですよ。

    ぜひご参加をお待ちしております!!
    (s.m)

  • 2013年07月24日 「はじめての美術 絵本原画の世界2013」 前売り券販売中!

    先日の23日は、二十四節気の「大暑」で、暦の上では1年でいちばん暑い日でした。

    まだまだこの猛暑は続きそうですが、暑さに負けず、頑張っていきましょう!

     

    さて、7月20日から、次回展覧会「はじめての美術 絵本原画の世界2013」展の

    前売り券を販売しています。

     

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    『ぐりとぐら』、『おおきなかぶ』、『ごろごろ にゃーん』、

    『ジオジオのかんむり』、『はじめてのおつかい』など、

    世代をこえて愛されるロングセラーを数多く生み出した

    月刊絵本「こどものとも」(1956年創刊/福音館書店)。

     

    「子どもにこそ真の芸術を」という信念のもとに生まれたこれらの絵本は、

    彫刻家の佐藤忠良、日本画家の秋野不矩や堀文子、当時は漫画家の長新太など、

    それまで絵本を手がけたことのなかったさまざまなジャンルの作家が参加しています。

     

    『おおきなかぶ』は、日本を代表する彫刻家・佐藤忠良氏が描いたものなんですよ!

     

    本展は、この「こどものとも」の初期作品を中心とした、

    宮城県美術館の1万枚以上に及ぶ国内有数の絵本原画コレクションの中から、

    26作家、43タイトル、327点を展示する、大規模な絵本原画展です!

     

    今回のチケット、実は券種によって絵がちがいます。

     

    前売り券はこちら。(上が大高生・70歳以上、下が一般券)

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    そして、当日券はこちら。(上が一般券、下が大高生・70歳以上)

     
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    すべて、山脇百合子さんの『ぐりとぐらの うたうた12つき』の場面です。

    何月の場面かわかりますか?

     

    前売り券は、もちろん前売り期間中にしか手に入りません!

    お友だちやご両親に。

    おじいちゃんやおばあちゃんには70歳以上のチケットを。

    全種類集めてみるのもいいかもしれませんね♪

     

    前売り券は9月13日まで販売しています。

    販売箇所等はこちらをご覧ください。

     

    そしてチケットと併せて、展覧会のチラシも完成しました!

     

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    本をイメージしたチラシの表紙には、

    みんな大好き!『ぐりとぐら』と『ごろごろ にゃーん』。

     

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    そして中面には、なつかしい絵本の数々!
     

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    さらに裏面には『いちごばたけの ちいさなおばあさん』、

    その下にはイベント情報盛りだくさん!

     

    すでに申し込みを開始しておりますので、ぜひHPをチェックしてみてくださいね。

    (応募者多数の場合は抽選となります)

     

     

    そして今回は、こんなにかわいいしおりも!

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    なかのひろたかさんの『ぞうくんのさんぽ』の一場面です。

     

    しおりを『ぞうくんのさんぽ』に挟んでみました。

     

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    『ぞうくんのさんぽ』 なかのひろたか さく・え  なかのまさたか レタリング
    1968年 月刊「こどものとも」発行  福音館書店・刊

     

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    …とってもかわいいです。

     

     

     

    そして裏面には、『ぞうくんのさんぽ』のクイズが。

     

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    展覧会会期中にお持ちいただき、クイズに正解すると、

    オリジナルスタンプを押印!

    さらにもう一度来場すると、もう一度スタンプを。

    すると枠の中に『ちょうちんあんこう』の表紙絵が完成!

     

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    絵が完成した方には…

    『ちょうちんあんこう』のオリジナル缶バッジをプレゼントします!

    (先着500名)

     

     

    缶バッジ1_.jpg

     

    2回目は美術館にお越しいただいた方を対象に押印しますので、

    ショップやカフェ利用のみでもOKです。

     

    しおりとして使って、さらにスタンプを集めて缶バッジも手に入れてみてくださいね!

     

    しおりは静岡市美術館のほか、

    7/25から絵本原画展関連フェアがスタートする市内図書館

    近隣の書店等でも配架しています。

    見つけたらぜひ手に取って見てくださいね!

     

    (m.y)

     

     

  • 2013年07月16日 夜の美術館でボルドーワインはいかが?

    暑い日が続いていますね・・・。
    日々のニュースを見ていると、今年はいつになく熱中症に関する報道が多い気がします。
    みなさま体調は崩されていませんか?

     

    暑い夏には、日中の熱気を忘れさせるイベントに出かけたくなるもの。
    今年の静岡市美術館では、夏の暑さを忘れ、優雅なひとときを過ごせる催しをご案内します。

     

    題して「ルドン展 特別鑑賞会 ボルドーワインで楽しむナイトミュージアム」です!

     

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    ⓒCIVB/Yann Lacombe     ※画像はイメージです

     

    実施日は、7月19日(金)の午後7時から午後8時30分です。

    一体どんなイベントなのか。簡単に紹介します。
    まず、閉館後の夜の美術館で、学芸員がみなさまと一緒に展示室をまわりながら、30分程度、作品の解説を行います。
    その後は試飲会に移行。
    静岡のワイン専門店「ヴィノスやまざき」のワインアドバイザーが、この会のためだけに厳選した、5種のボルドーワインをお楽しみいただきます。これらは、いずれも「ヴィノスやまざき」が、ボルドーでも人気の高い産地である「メドック地区」のシャトーと直接取引して生産した、オリジナルワインです。
    また、ヴィノスやまざき専務取締役・種本祐子さんによる、ボルドーワインのミニレクチャーもあるのです!

     

    ・・・ん?
    「ワインは分かったけど、なんでボルドー産なの?」という声が聞こえてきますね。
    実は、このオディロン・ルドンの生地がフランス、ボルドーなのです。

     

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    ⓒCIVB/HAUT RELIEF  ※画像はイメージです

     

    青年時代にこの地で出会った版画家ロドルフ・ブレスダンや、植物学者であるアルマン・クラヴォーから、ルドンは大きな影響を受けました。画家としてパリに出たあとも、ルドンは度々この地に帰るなど、ルドンにとって愛着のある場所でした。

     

    作品を見たあとに、美術館でワインを楽しむ。
    なんだか贅沢!

    またそれが、作家とゆかりの深い土地のものであるということに、一層感慨深くなります。
    (当日はスタッフなので飲めませんが・・・)

     

    チケットは静岡市美術館、ならびにチケットぴあで好評販売中です。
    静岡市美術館としても初となるこのワインイベント。
    ぜひ多くの方のご参加をお待ちしております。
    (R.A)

     

    【イベント情報】

    ◆実 施 日      7月19日(金)午後7時~午後8時30分(開場:午後6時30分)
    ◆参 加 料  2,500円(展覧会鑑賞とワイン試飲付き)
    ◆定   員  60名(先着順)
    ◆チケット販売先  静岡市美術館、チケットぴあ[Pコード:763-167]

     

    ※美術館までは、なるべく公共交通機関をご利用の上、ご来館ください。

    ※本イベントにおけるお車でのご来館はご遠慮ください。

     

  • 2013年07月14日 ルドンの”黒”と”色”、どっちが好き? 

    「オディロン・ルドン 夢の起源」展が開幕し、早2週間。
    一点一点、じっくりと作品と対峙し、ご覧になっている方が多いように感じます。

     

    さて、展示室の出口付近には、「投票パネル」を設置しています。
    「黒一色」の世界から、色鮮やかな「色彩」世界へと変貌した画家、ルドン。
    ルドンの作品を鑑賞した皆さんに、「黒」の作品と「色」の作品のどちらか好きか、投票してもらっています。

     

    この投票パネルには仕掛けがあり、投票数が増えるにつれ、ルドンの作品をもとにした絵が徐々に現れるというもの…。
    「黒」を選んだ方は、黒色もしくは銀色のシールを、
    「色」を選んだ方は、赤色もしくはオレンジ色のシールを使って票を投じます。
    いったいどんな絵が出現するのでしょうか!?

     

    【開幕初日】 6月29日(土)
    これからどう動いていくか、楽しみ…。
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    【開幕から1週間】 7月9日(火)
    どうやら、「色」が優勢のようです!

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    【開幕から2週間】7月14日(日)
    おっと!「黒」が追い上げています!
    (写真では銀色シールがわかりにくいのが残念です…)

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    こ、これは場外です!
    しかし、私たちにとっては、大切な一票に変わりはありません。

    場外!.JPG

    「黒」のパネル「色」のパネルともに、少しずつ形がはっきりしてきました。
    どんな絵かわかりますか?
    投票数が増えるにつれ、もっとわかりやすくなってきます。
    今後も、ブログやツイッターなどで、経過を随時お知らせします。

     

    鑑賞後のお楽しみ、皆さまぜひ投票してくださいね!

     

     

     

    展覧会「オディロン・ルドン 夢の起源 幻想のふるさと、ボルドーから」
    会期:6月29日(土)~8月25日(日)
    休館日:月曜日 ただし7月15日(月・祝)は開館、翌16日(火)は休館、8月12日(月)は臨時開館
    観覧料:一般1100(900)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料
    *(  )内は当日に限り20名以上の団体料金

     

    (c.o)

  • 2013年06月28日 「オディロン・ルドン 夢の起源」展、いよいよ開幕!

    先日のブログで紹介した、ルドン展のお楽しみ企画。今回は、その追加情報です。
    ※前回のブログはこちら ⇒ 「ルドン展も、お楽しみいっぱい!」

     

     

    鑑賞前のお楽しみ、Shizubiで 《もらう》 追加情報
    笑う《蜘蛛》には福来る!?壁紙配信開始しました!

     

    展覧会会期中限定で、ルドンの作品《蜘蛛》(1887年 リトグラフ、紙)をモチーフとした壁紙を配信!
    さらに、スマートフォンの画面表示や、画像を印刷して受付でご提示いただくと、先着500名様でオリジナルグッズをプレゼント!ご来館はお早めに!

     

    壁紙.gif

    壁紙は、以下のサイトからダウンロードしてくださいね!
    http://www.satv.co.jp/0500event/0010event/redon/campaign/

     

    壁紙を当館受付でご提示いただいた方、先着500名へのプレゼントは・・・

     

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    静岡市美術館のオリジナル缶バッヂ!
    フジタ展でも好評だった缶バッヂ。今度はルドン展バージョンです。
    フジタ展でもらった!という方、集めてみるのはいかがでしょう?

    鑑賞後の大人の楽しみ、Shizubiで 《あじわう》 追加情報
    特別鑑賞会&ワイン試飲会の詳細発表!

     

    前回のブログでもお知らせしましたが、静岡市美術館ミュージアムショップ&カフェに、
    ルドン展会期限定で特別ワインメニューが登場します。(グラス 赤:600円 白:500円)

     

    さらに!

     

    ボルドーワインで楽しむナイトミュージアム
    「オディロン・ルドン 夢の起源」展 特別鑑賞会 を開催します!!

     

    オディロン・ルドンの生地であるフランス・ボルドーにちなみ、学芸員による展示解説と、ボルドーワインの試飲会を兼ねた特別鑑賞会を行います。
    「ヴィノスやまざき」のワインアドバイザーが選ぶ、ボルドーでも人気の高い産地、メドック地区の薫り高いワインで、夏の夜に優雅なひとときをお楽しみください。

     

    日時:7月19日(金)午後7時~8時30分(受付:午後6時30分~)
    ワイン講師:種本祐子(ヴィノスやまざき専務取締役)
    参加料:2500円(展覧会鑑賞と試飲会付き)
    定員:60名(先着順)
    チケット:6月29日(土)より、当館受付またはチケットぴあ[Pコード:763-167]にて販売
    この機会にぜひ、ご参加くださいね!

     

     

    オディロン・ルドン展では、お楽しみ企画をたくさん用意しています!
    どんどんお知らせしていきますので、お楽しみに!

     

     

    展覧会「オディロン・ルドン 夢の起源 幻想のふるさと、ボルドーから」
    会期:6月29日(土)~8月25日(日)
    休館日:月曜日 ただし7月15日(月・祝)は開館、翌16日(火)は休館、8月12日(月)は臨時開館
    観覧料:一般1100(900)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料
    *()内は当日に限り20名以上の団体料金

  • 2013年06月26日 4/28、こどもの日ワークショップを開催しました!

    4月28日(日)、
    暦とあそぶワークショップvol.4
    「こどもの日だ!家族みんなで”鯉のぼり”をつくろう」を開催しました。
    祭事や年中行事をとおして季節を感じ、
    それをかたちにする「暦とあそぶワークショップ」シリーズの第4弾。
    今回はこどもの日に合わせ、 家族みんなで”鯉のぼり”をつくりました。

     

    【HP用】こどもの日WSチラシ_小.jpg

     

    当日ご参加いただいたのは、12組33人の親子!
    いつものワークショップ室を飛び出して、多目的室で行いました。

    タイトルにもある”鯉のぼり”の制作の前に、まずはこどもの日、端午の節句について学んでいきます。

    その歴史は古く、奈良時代に中国から伝わります。
    現代のようによろい、かぶと、武者人形などが家で飾られるようになったのは江戸時代。

     

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    では、”鯉のぼり”は?
    実は、江戸末期ごろにようやく登場します。
    歌川広重、河鍋暁斎の作品にも、当時の鯉のぼりが確認できます。

     

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    そして今回、何と「本物の昔の鯉のぼり」を展示しました!

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    展示した鯉のぼりは2点、どちらも昭和初期の貴重なものです。
    今のナイロン製のものとは違い、和紙に手彩色。職人の手作り。
    昔は、毎年鯉のぼりを新調するのが当たり前だったそうです。

     

    カラフルでデザインも斬新な、関東方面の鯉のぼりに…

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    こちらは金太郎が背中にのっています。関西の鯉のぼり。

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    鯉のぼりを鑑賞、鯉の特徴も確認したところで…

     

    まずは下絵づくりを行います。
    昔の鯉のぼりの図柄を参考にしながら、

    目、うろこ、えら、おびれ、せびれ、それぞれのデザインを考えます。

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    いよいよ制作へ。
    今回の鯉のぼりは油絵などの制作で使用するキャンバス生地をつかい、カラージェッソで彩色。

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    赤、青、紫、黄色からベース色を選んで塗って…

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    白で下書きをします。

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    そして彩色へ。まずはうろこから。

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    そして、目、えら、

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    尾びれ、背びれ。

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    作業が進むにつれて、皆さんの筆使いも加速!お父さんもお母さんも、子ども達も夢中!

     

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    仕上げは、ハサミで鯉のぼり型に切り抜き、
    口の部分にワイヤーをかませ、
    胴体を貼り合わせて完成!

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    33体の鯉のぼりが集結しました!圧巻です!

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    最後に、ご家族ごとに記念写真を撮って終了。

     

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    これから、毎年青空を泳ぐことでしょう^^

    今後も、暦とあそぶワークショップシリーズ、開催していきます!

    (s.m)

  • 2013年06月23日 ルドン展も、お楽しみいっぱい!

    「レオナール・フジタとパリ」展、無事に閉幕いたしました。
    沢山のお客様に足を運んでいただきました。ありがとうございました。

    フジタ展では特典企画として、猫を愛した画家・藤田にちなみ、「猫グッズで粗品プレゼント」を実施しました。
    とても反響があり、約1400名もの方々が、お気に入りの猫グッズを手にご来館くださいました。

     

    次回展「オディロン・ルドン 夢の起源」でも、様々なお楽しみ企画を考えています!
    今日はその内容を少しだけご紹介します。

     

    その① 鑑賞前のお楽しみ、Shizubiで 《もらう》

     

    《蜘蛛》.jpg

    《蜘蛛》1887年 リトグラフ、紙 岐阜県美術館

    展覧会の出品作品の一つ、《蜘蛛》。
    一見、ぎょっとする姿ですが、よくみると上目使いや、笑う口元(歯も見えます!)・・・とっても愛嬌のあるお顔です。
    静岡市美術館ルドン展のCMでもおなじみ(?)の蜘蛛は、この作品をモチーフにしています。

     

    本展では、この《蜘蛛》をもとにした、パソコン用・スマートフォン用の壁紙を作成します。
    壁紙をダウンロードして(プリントアウトでもOK)、当館の受付でご提示いただくと、オリジナルグッズをプレゼント。(先着500名様、展覧会をご鑑賞の方に限ります)

     

    肝心の壁紙、いったいどんなものかというと・・・この話は、後日。
    近日中にお知らせしますので、もう少し、お待ちくださいね。

    “笑う蜘蛛には福来る!?””蜘蛛は寝て待て!?”

     

    その② 鑑賞後のお楽しみ、Shizubi で 《えらぶ》

    黒一色の怪奇で空想的な世界を展開した後、50歳を過ぎて夢幻的な色の世界へと変貌した特異な画家、ルドン。
    黒の世界、色の世界、どちらも魅力的です。
    展覧会ポスターのメインイメージを「黒」の作品にするか、「色」の作品にするか、私たちも大変悩みました。
    今も図録を眺めながら、これも面白い、こちらも素敵だ、と黒と色を行ったり来たり…。
    みなさんはどちらがお好きなのでしょう!?率直な意見が聞きたい!

     

    そこで、館内に「投票パネル」を設置します!
    展覧会をご鑑賞後、ルドンの黒か、ルドンの色か、お好きな方に投票してみてくださいね。
    途中経過はブログやツイッターで随時お知らせします。
    実は、投票パネルにも仕掛けがあって・・・という話も、また後日。

     

    その③ 鑑賞後の大人の楽しみ、Shizubiで 《あじわう

    ルドンの生まれ故郷で、その芸術の源泉とも言われているフランス南西部の都市ボルドー。

    ワイン生産地としても有名ですね。
    そんなルドンのふるさと、ボルドーにちなみ、静岡市美術館ミュージアムショップ&カフェに、

    ルドン展会期限定で特別ワインメニューが登場します!
    ミュージアムショップ&カフェ初のワインメニューです。

     

    グラス 赤:600円 白:500円
    ボルドーで最も人気の高い産地のひとつ、メドック地区のワインをご用意しています。
    (メドックは、ルドンが生後間もないころから11歳まで過ごした土地でもあります)

    展覧会鑑賞後、香り高いボルドーワインで、優雅なひとときをお楽しみください。

    このほかにも、ワインの試飲が楽しめる特別鑑賞会を企画していて・・・と、この話もまたまた後日。

     

    その④鑑賞前でも後でも楽しい、Shizubiで《ぱしゃり》

    静岡市美術館の、紺屋町商店街側の入り口付近。
    写真撮影スポットになりつつある、この場所。

     

    「ごんぎつねの世界」展では巨大立て版古が現れ・・・、

     

    巨大立版古.JPG

    「レオナール・フジタとパリ」展では、顔出しパネルが登場しました。

    顔出しパネル4 web.JPGのサムネール画像

    そして引き続き、ルドン展でも写真撮影スポットをつくります!
    どんな写真パネルか・・・これもまたまたまた後日。
    現在、鋭意作成中です。完成したらお知らせいたします。

    ご来館の際は、ぜひお試しください。
    どうぞ、あの愛らしい《蜘蛛》のような笑顔で、撮影に臨んでくださいね。

     

    次回展「オディロン・ルドン 夢の起源―幻想のふるさと、ボルドーから」の開幕まであと1週間。
    展覧会も、関連イベントも、お楽しみ企画も盛りだくさんの内容で、皆さまをお待ちしています。

    展覧会「オディロン・ルドン 夢の起源 幻想のふるさと、ボルドーから」
    会期:6月29日(土)~8月25日(日)
    休館日:月曜日 ただし7月15日(月・祝)は開館、翌16日(火)は休館、8月12日(月)は臨時開館
    観覧料:一般1100(900)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料
    *()内は前売り券および当日に限り20名以上の団体料金

    お得な前売券は、6月28日(金)までの販売です!

     

    (c.o)

     

  • 2013年06月13日 藤田嗣治の線描

    早いもので「レオナール・フジタとパリ1913-1931」展の会期も、残すところ1週間余りとなりました。

    本展は、1913年に渡仏した藤田嗣治が最初の妻・とみへ送った手紙や、1910年代後半の水彩画など、これまでの藤田展ではあまり紹介されなかった時期の作品や資料を多数含んでいます。1910年代の水彩画から1920年代の「素晴らしき乳白色の地」の油彩画へと移り変わるドラマチックな展開もご覧いただけます。作品図版は展覧会紹介ページに掲載しています(https://shizubi.jp/exhibition/130420_02.php)。

     

    109b パリのカフェで.jpgのサムネール画像1915年3月 パリのカフェ・ロトンドにて

     

    109アトリエにて.jpg

    1915年3月 シテ・ファルギエールのアトリエにて

     

    これらは藤田がフランスからとみへ送った写真です。とても小さい写真なので、ぜひ展示室で大きさ(小ささ?)を確認してみてください。インターネットもスマートフォンもなかった時代、船便の手紙に添えられたこれらの小さな写真は、日本で待つ妻に藤田の今を伝える雄弁なメッセンジャーだったに違いありません。パリで暮らす藤田の様子が今日のわれわれにも伝わってきます。

     

    冒頭でも触れましたが、本展には、1910年代の水彩画が多数出品されています。ルーヴル美術館で学んだ古代ギリシア・ローマやエジプトの美術と、浮世絵に代表される日本の美術のエッセンス、さらにはパリで知り合ったピカソやモディリアーニら同時代の画家たちの新しい動き、そういったものを吸収して生み出された水彩作品です。

    (参考図版はこちらhttps://shizubi.jp/exhibition/130420_02.php#03

     

    1910年代、既に藤田は繊細な描写に個性を発揮しています。ですが、本展の出品作品を改めて見たとき、際立って感じられるのは1920年代の線の細さとしなやかさです。

    (参考図版はこちらhttps://shizubi.jp/exhibition/130420_02.php#04

     

    ここで、線についての藤田の発言をいくつかご紹介しましょう。
    1929年に日本に一時帰国した際、藤田は自分の制作について次のように語っています。

     

    「自分はほとんど定規で引くような確実さで頭の支配によって動く機械として自分の手の練習に努めた。例えば毛髪の一本が鏡の上に落ちた時には非常に直線に見える。同じ毛髪でも粗い布の上に落ちた時には非常に振動して見える。自分の細い線を現すにはもっとも滑らかな、光沢のある画布を作らねばならぬ。古来よりの日本画のもっとも長所とする寧ろ書かざる部分の余白を豊富な質のある画幅に作ることに苦心した。」

    (藤田嗣治「在仏一七年」『藤田嗣治画集』1929年、朝日新聞社)

     

    余白の美を表現するため、そして鍛え上げた細い線の魅力を十全に発揮するために、あのきめの細かい白い下地が考案されたというわけです。また別の文章では、線について、ただの輪郭ではなく、画家が捉えた本質の表現でなければならないとも言っています。

     

    「線とは、単に外殻を言うのではなく、物体の核心から探求すべきものである。美術家は物体を深く凝視し、的確の線を捉えなければならない。そのことが分かるようになるには、美の神髄を極めるだけの鍛練を必要とする。」

    藤田嗣治「線の妙味」『地を泳ぐ』講談社、1984年;初版は書物展望社、1942年)

     

    画材の研究や筆を扱う技術の修練に加えて、こうした強い信念があってこそ、あのような線が誕生したのですね。静岡でご覧いただけるのはあと少しの期間となりましたが、ぜひこの線の魅力をご堪能下さい。(k.y.)