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2022年05月07日 花ひらくフランス絵画【6】 ポスト印象派とエコール・ド・パリ:個性の開花と古典への回帰
エコール・ド・パリとは、戦間期にパリのモンマルトルやモンパルナスに集った画家たちを指します。自由を好んだ彼らに統一的な絵画様式は無く、唯一共通していたのは具象的な表現を用いたことでした。日本の藤田嗣治やイタリアのモディリアーニなど、外国人が多く含まれるのも特徴です。彼らの活動拠点となったのは、モンパルナスのアトリエ兼共同住宅「ラ・リューシュ(蜂の巣)」でした。and more
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2022年05月04日 花ひらくフランス絵画【5】 フォーヴィスムからキュビスムへ:空間表現の革命
1908年ごろから、ピカソとブラックは伝統的な遠近法とは一線を画する斬新な空間表現を取り入れました。それは対象を複数の視点で捉えた幾何学的な面に分解し、平面上で再構成するというものでした。彼らの作風はモチーフを褐色の切り子面に還元する分析的キュビスムを経て、新聞の切り抜きや文字を画中に取り込む総合的キュビスムへと展開していきます。and more
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2022年05月03日 花ひらくフランス絵画【4】 新印象派からフォーヴィスムまで:色彩の開放
1890年代からシニャックとクロスは南仏に転居し、モザイク調の点描法を用いるようになります。マティス、カモワン、マンギャンはシニャック邸を訪れ、固有色を離れて自律的な色彩の調和を生成する手法を学びました。これを契機として彼らは色彩の表現性に関心を寄せ、純色の力強いタッチで激情的な表現を探求していきます。and more
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2022年05月01日 花ひらくフランス絵画【3】 ナビ派とポン=タヴァン派:平坦な色面と内的な表象
新印象派の登場と同じころ、フランス・ブルターニュ地方のポン=タヴァン村では、ベルナールによって原色の平坦な色面を明瞭な輪郭線で囲むクロワゾニスム様式が生み出されました。ゴーギャンはこの反写実的な描法を、想像上の風景を描くのに用い、総合主義と呼ばれる新たな美術潮流を築き上げていきます。and more
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2022年04月30日 花ひらくフランス絵画【2】 新印象派:美術と科学の融合
1886年に開催された最後の印象派展に、スーラ、シニャック、ピサロ父子は無数の点で覆われた絵画を出品。批評家のフェネオンはそこに印象派を超える新たな芸術の到来を見出し、彼らを新印象派と命名しました。その後、デュボワ=ピエ、クロス、リュスらも同様の技法を取り入れるようになります。and more
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2022年04月27日 花ひらくフランス絵画【1】 印象派:鮮やかな画面を求めて
1874年、モネ、ピサロ、ルノワールらは写真家ナダールのアトリエを会場としたグループ展に、筆触分割を用いた作品を出品します。純色の小さなタッチを並置するこの技法では、絵具の混ぜ合わせによって生じる色の濁りを回避することができました。出品作であったモネの《印象、日の出》から派生して、印象派という呼称が用いられるようになります。and more
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2022年04月10日 「新しさ」を巡る挑戦の軌跡
いまだかつてない独創的な芸術表現を開拓すること。それは古今東西、画家たちの創作意欲をかきたて、飽くなき探求へと向かわせてきた普遍的なテーマだと言えるかもしれません。19世紀後半から20世紀前半のフランスでは、そうした「新しさ」を追い求める美術流派が次々に現れ、拮抗と超越を繰り返しながら、芸術の定義を幾重にも塗り替えていきました。
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2022年03月11日 「平等院鳳凰堂と浄土院」来場1万人を達成!
3月11日、「平等院鳳凰堂と浄土院」展の来場者が1万人を達成しました。
1万人目は、市内からお越しのお客様。当館館長より記念品を贈呈しました。 -
2022年03月01日 「平等院鳳凰堂と浄土院」 作品紹介③《籬に梅図(養林庵書院襖絵)》
宇治市指定文化財《籬に梅図(養林庵書院襖絵)》江戸時代(17世紀) 浄土院蔵
竹垣の背後から覗く幹がうねるように躍動して曲線を描き、長く伸ばした枝先に清楚な白い花を咲かせる梅の老木。幹の中腹には春の到来を待ちわびるかのように、番(つがい)の鳩が羽を休めています。and more -
2022年02月25日 「平等院鳳凰堂と浄土院」 作品紹介②《伝帝釈天立像》
宇治市指定文化財《伝帝釈天立像》 平安時代(11世紀) 浄土院蔵
ふくよかな顔立ちにどっしりと重厚なプロポーションが印象的な古像。厚い唇に短い眉、吊り目がちの表情には、どこか少年のような瑞々しさも感じられます。and more
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