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2015年08月13日 開館5周年記念コラボビール、完成間近!!(後篇)
“完成間近”と題した本ブログでしたが…
申し訳ありません、実は既にビールが完成してしまいました!!
去る8月10日には、一般発売に先駆けて、各マスコミや関係者を対象とした「完成お披露目会」を開催しました。
AOI BREWINGの満藤社長、高醸造長をはじめ、当財団の望月専務理事、静岡音楽館の山村館長、静岡市美術館の田中館長、そして静岡商工会議所の熱川専務理事(実は、音楽館開館当時の副館長!)が、AOI BREWING併設ビアバー「BEER GARAGE」に集合。
皆様から御挨拶や祝辞をいただいた後・・・いざ、カンパーーーイ!!!
ビールについて語る高醸造長と生まれたてのビールたち
記者の皆様、暑いなかありがとうございました!
私も試飲させていただきましたが、両ビールともホントに!おいしいです!!
しかも、ある意味対照的な両館のキャラクターがばっちり際立っている…!高醸造長曰く、「イメージでビールを作るのは難しい」とのことですが、とても良い出来栄えに、両館長もたいへんご満悦なご様子でした。
さて。
すっかり遅ればせながら…といった感じではありますが、前篇に引き続き今回は、各ビールの特徴や、博学多識な高醸造長によるネーミングの由来などについて、詳しくご紹介します。
それではまず、静岡音楽館AOI(以下、本文中では「音楽館」)からご紹介。
■静岡音楽館AOI開館20周年記念エール「ホルツノーテンシュレッセル(アルト)」
音楽館からイメージされた「アルト」は、ドイツ・デュッセルドルフ市発祥の古典的なビアスタイルで、直訳すると”古いビール”。といっても決してビール自体が古いわけではなく、これは、現在世界中で一番作られている下面発酵ビール(ラガー)に対して、それ以前のビールの主流であった上面発酵ビール(エール)の伝統的製法で作られていることに由来します。
濃褐色の見た目から、一見重そうなイメージを抱きがちですが、飲んでみると想像以上に飲み口すっきりで、思わず「!」。3種類のドイツ産ホップがばっちり効いているので、すっきりの直後、すぐさましっかりとした苦味が迫ってきます。このど真ん中ストレートな味わいは、いかにも”優等生タイプ”と言った印象。音楽館のコンサートの余韻に浸りながら飲むにもふさわしい、とても品格ある仕上がりです。
ビールの温度とともに変わる味わいの変化もおもしろい。焙煎したモルト(麦芽)のほんのりとした香ばしさに包まれ、コク深いのにスイスイ飲める…優等生とはいえ、これは少々危険なビールかもしれません(笑)高醸造長が命名した「ホルツノーテンシュレッセル」という名前は、 “木製の音符”というニュアンスのドイツ語。
「音楽の都ウィーンの楽友協会ホールに似た残響音設計になっている音楽館は、ふんだんに使われた木材の温かなぬくもりを感じる素敵なステージと、シンプルかつ落ち着いた豪華さを持つホールです。そこからイメージして閃いたのが”木製の音符”でした。」
音楽館のイメージに、なんともぴったりなネーミングです。
いつか、こんなビールを音楽館のバーカウンターでも味わってみたいものです…♪
さて、続いては、静岡市美術館のビールをご紹介!
■静岡市美術館開館5周年記念エール「月白風清(フレンチセゾン)」
「セゾン」は、ベルギー南部及びフランス北部でつくられるビアスタイルです。もともと夏の農作業の際、水がわりに飲まれていたもので、夏に飲むために決まった季節(農閑期)に仕込みをしていたことからセゾン(シーズン)ビールと呼ばれるようになりました。
実は明確なレシピが規定されているわけではなく、地方や醸造所によっても味の違いが大きく異なる、幅の広いスタイルのビールです。
「セゾン」といえば、ベルギーセゾン酵母を用いた”ベルジャンセゾン”が一般的ですが、今回は当館の”お洒落感”を出したいと、極めて希少なフレンチセゾン酵母を使用して、あえての「フレンチセゾン」に。小麦を使って、ややマイルドな飲み口に仕上げました。
こちらはやや白味がかったゴールデンイエロー。まず印象的なのは、コリアンダーや柑橘系ハーブが醸し出す華やかな香り。そして、一口飲んでみると…、やっぱり「!!」。
“すっきり””爽やか”な第一印象に続くのは、やや複雑で、芳醇な風味。絶妙な調和を保ち、徐々に喉奥に広がります。このビールには、当館の開館5周年にちなみ、5種類のハーブスパイス、そして贅沢にも5種類のホップが使用されています。
しかも、使用したホップは、パール、サファイヤ、オパールなど、いずれも煌めく宝石の名前。
5種類ものホップを使うのは、通常「あまりやらない」ことだそうですが、高醸造長の大奮発のおかげもあって、香りや味わいの奥行きや広がりが半端ない、とてもエレガントなビールに仕上がっています。この「フレンチセゾン」に命名された「月白風清」(げっぱくふうせい)という言葉は、中国・宋代一の詩人と謳われた蘇軾の長文の一節。高醸造長の好きな言葉のひとつでもあるそうです。
「白くこうこうと輝く月明かりに照らされた青白いモノトーンの世界が、白を基調にした静岡市美術館のイメージと重なります。そして夜の静寂にそよぐ秋風のごとく香るさわやかなセゾンの香り…。今年の立秋は8月8日、季節的にもぴったりです。」
音楽館がドイツだから、こっちはフランスか…?!と思いきや、こちらはいとも上品な四字熟語と来た(笑)
醸造長のハイセンスぶりに、平伏です!
…と、ご紹介ばかりが長くなりましたが、
「ホルツノーテンシュレッセル」と「月白風清」。
皆様への初お目見えは、いよいよ今週末8月14日(金)!
8月16日(日)までの3日間、静岡市中央商店街で開催される「第53回静岡夏祭り 夜店市」にて特別先行販売いたします。
小梳神社前の「静岡市文化振興財団」ブースに、ぜひお立ち寄りください。その後、8月17日(月)からは、アオイビール取扱店舗でも順次開栓予定ですが…!
残念なことにこれらのビール、今回は何せ”特別限定醸造”していただいたものですから、各450リットル、計900リットルのビールがなくなってしまえば、その場でもちろん「売り切れ御免」となります。
全国初、世にも珍しいコラボビールで、しかも今しか飲めない”特別限定醸造”!!
そうと聞いては、ほら。あなたはもう飲まずにはいられないはず…(笑)
さてさて、あなたは、音楽館の「アルト派」?それとも、市美の「フレンチセゾン派」?
ぜひ、飲み比べも楽しんでくださいね。
一期一会のこの機会、皆様ぜひお飲み逃しなく!!
セゾン越しにセゾンを味わう醸造長(笑)
「おいしいって言ってもらえてほっとした…」
ご尽力いただき、心から感謝です!
(m.m) -
2015年08月05日 開館5周年記念コラボビール、完成間近!!(前篇)
静岡市美術館は、今年開館5周年。
そのメモリアルイヤーに、なんとも珍しいコラボ企画が持ち上がりました。なんと、今年醸造開始1周年を迎える、静岡市唯一のクラフトビール醸造所「AOI BREWING」(以下「アオイさん」)さんが、同じJR静岡駅前にあって、同じ(公財)静岡市文化振興財団が管理運営を行う静岡音楽館AOIの開館20周年と、当館の開館5周年を祝して、それぞれの施設をイメージした「開館周年オリジナルビール」をつくってくれることになったのです!
旧醤油蔵を改造した醸造所。静岡浅間神社のすぐ近くにあります。
クラフトビールが全国的なブームとなっている昨今、「クラフトビール×店舗」、「クラフトビール×地場産品」、「クラフトビール×キャラクター」など、様々なコラボ企画をあちらこちらで目にします。
しかし!
「クラフトビール×公共施設」のコラボレーションは全国初!(おそらく。)
期せずして、歴史的瞬間を目撃することとなりました。元を辿れば、アオイさん側から静岡音楽館AOIに、「同じ”AOI”同士、何かコラボしませんか?」と、ご提案をいただいたことに端を発するこの企画。
その後、周年記念ビール醸造に話が大きく発展したことで、めでたく当館も企画の仲間入り。
熱狂的なビールファンを多数?有する当財団としても、大きな快挙となりました…!
具体的に話が動き始めたのは5月のこと。
それからこれまでの間、醸造長の高さんやマネージャーの福島さんとともに、どんなビアスタイルにするか、どんなホップを使うか、PR作戦をどうするか、ネーミングをどうするか等々、かなり綿密に打ち合わせを積み重ねてまいりました。(おかげで酒量が増えました(笑))詳しいビールの紹介などは後篇に回すとして、今回は、案外すんなり?決まった各館のビアスタイルのみ発表させていただきます。
まずは、静岡音楽館AOIから。
1995年5月に室内楽専用ホールとして誕生した静岡音楽館AOI。
JR静岡駅前の文化施設では、最も格式高く、古典的な風格が漂います。
そんな優雅さと荘厳さをあわせもつ音楽館からイメージされたのが、ドイツ・デュッセルドルフ市発祥・正統派「アルト」。静岡音楽館AOIといえば「やっぱりドイツ!」とは、醸造長の談。
“オールドイツ”にこだわったアルトづくりがスタートしました。
次に、静岡市美術館です。白くて、シンプルで、開放的な雰囲気の静岡市美術館。
そんな当館からイメージされたのは、すっきりスタイリッシュな「フレンチセゾン」。
もともとは田舎で飲まれていた「セゾン」ですが、今ではなんだか「とんがっててお洒落な雰囲気」。
当館のイメージに合うように、小麦を使ってやや白く、マイルドな飲み口のセゾンづくりが始まりました。
去る7月10日には、財団トップと各館長が、ビールの仕込みのお手伝い。
夕方、担当者のみで再訪したときには、おまけでホップやハーブスパイスの計量や投入まで体験させていただきました。工場内部。なんだか近未来的!?
ホップ一発目の投入では、100度を超える麦汁が一気に噴出!
今回はサービスショット。いつもより多く溢れています(笑)どこぞのマキアートかと見紛うアルトに、超フレッシュなフレンチセゾン。
まだまだ酵母が混在しているので、かなり濁っています。でも、飲めました…。発酵が終わった後、1日2℃ずつ、ゆっくりゆっくり時間をかけて温度を落として、
ゆっくりゆっくり酵母を沈殿させて…ようやくここまで透明に!!
いわゆる”若ビール”。この状態でもう十分おいしく飲めました。
・・・と、今回はここまで。こんな風に、普段はなかなか知ることのできないビールの醸造過程を紹介できるのも、まさにオリジナル企画ならではのことではないでしょうか。
さて次回は、いよいよ完成間近のビールについて、写真とともに詳しくご紹介します。
乞うご期待!
最後に、まさに職人な醸造長の背中を。
我らのビールを、どうぞよろしくお願いします!!(m.m)
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2015年06月11日 「理想の”青”を求めて―憧れの色への挑戦」
今週末に開幕する展覧会「青磁のいま―受け継がれた技と美 南宋から現代まで」。
作品が搬入され、展示作業もいよいよ大詰めです。
さて、今回のブログは、青磁の”青”についてのお話です。
「天青(てんせい)」「粉青(ふんせい)」「翠青(すいせい)」・・・。
これらはすべて青磁の”青”を表した言葉です。
中国を起源とするこの美しい釉色のやきものを、かつての中国皇帝は雨上がりの澄み切った天空の色になぞらえて「雨過天青(うかてんせい)」と言い表しました
青磁は、しばしば空や碧玉(へきぎょく)といった自然界の青に喩えられますが、その中でも最も印象的な言葉の一つと言えます。
その青磁の色は、マットで濁りのない淡く澄んだ青緑色の「粉青」、 ヒスイのような透明感を持つやや緑色の強い淡く明るい青緑色の「翠青」をはじめ、オリーブ・グリーンや淡い黄色のものもあり、一言では言い表せない豊かな”青”の世界が広がります。
この青磁の”青”の発色源は、釉薬や土に含まれるわずかな鉄分。
空気中ではすぐにさびてしまう鉄も、還元焔焼成(かんげんえんしょうせい)という酸素不足の状態で焼かれることで青みを帯び、それがガラス質の釉薬の中に閉じ込められて永遠に青く保たれます。
しかしながら青磁は、初めから美しい青を呈していたわけではありません。
今から3500年前の中国・商時代中期、青磁の祖とも言うべき木灰(もっかい)を主原料とした灰釉(かいゆう)の陶器が焼かれます。
紀元後1世紀の後漢時代には灰釉から成熟した青磁が誕生しますが、まだまだくすんだ暗緑色。
ここから中国における理想の”青”を求めた長い挑戦の歴史が始まります。
そして、南宋時代(12−13世紀)、ついに青磁は頂点へと達します。
さて、これら中国の青磁は同時代の日本にも伝わり、時代を超えて大切に受け継がれていきます。
日本においても中世、近世と青磁への挑戦は見られますが、憧れの南宋青磁の再現に成功したのは明治時代以降。
近代の陶芸家らの試みは、やがて独自の創作へと移っていきます。
そして時代は今。作家の想いが投影された様々な青磁作品を見ることができます。
本展は、第Ⅰ章で日本に伝来した12−13世紀の中国・南宋時代の至高の青磁を、 第Ⅱ章で近代の日本の青磁の成果を、第Ⅲ章で現在の青磁の到達点を見ることができる、オール青磁の展覧会です。
いつの時代も理想の”青” を求めて生み出された青磁。あなたの理想の”青”に出会って頂ければ幸いです。
(s.m)
※商店街のバナーデザイン
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2015年06月03日 「青磁のいま」展 出品作家によるアーティストトークのお知らせ
「大原美術館 名画への旅」が無事に閉幕しました。たくさんのご来場ありがとうございました。
次回展「青磁のいま―受け継がれた技と美 南宋から現代まで」に向けて、館内は一気に模様替え!
エレベータのドア
商店街側(戸田書店側)入り口
エントランスホール
本展では、中国・南宋時代(12~13世紀)の名品から、近代、現代まで、約120点の青磁作品を3章立てで紹介します。
「現代の青磁―表現と可能性―」と題した第Ⅲ章では、第一線で活躍する10名の現代作家による48点を展示します。
人間国宝の中島宏の作品から、オブジェのような青磁まで、多様な表現をご紹介します。会期中には、本展出品作家によるアーティストトークを開催します。
6月27日(土)は、髙垣篤氏(1946~)。
まっすぐに立ちあがった面は氷壁のよう。
青磁釉の下に茜色に発色する素材が使われており、青色とエッジ部分の茜色の対比が美しい作品です。
6月27日(土)のイベント詳細・申込こちら →https://shizubi.jp/event/_2015627.php
7月11日(土)は神農巌氏(1957~)。
泥漿(でいしょう)にした磁土を含ませた筆で何度も塗り重ねることで、立体感のある柔らかな線をつくりだしています。
「堆」は他よりも盛り上がっている様子を指す言葉。その特徴をとらえた技法「堆磁(ついじ)」は、神農氏が名づけ親なのだそう。
7月11日(土)のイベント詳細・申込はこちら→https://shizubi.jp/event/2015711.php
作家本人の言葉で語られる青磁の世界は、どのようなものなのでしょうか。
きっと作品鑑賞のヒントが手に入るはず!
みなさまのご参加をお待ちしております。
(c.o)
「青磁のいま―受け継がれた技と美 南宋から現代まで」
会期:6月13日(土)~8月16日(日)
観覧料:一般1000(800)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料
*( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金
*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料※お得な前売り券は、6月12日(金)までの販売です※
取扱い:静岡市美術館(6月11日(木)まで)、チケットぴあ[Pコード766-738]、ローソンチケット[Lコード46746]、セブンチケット[セブンコード:038-261]、谷島屋呉服町本店、谷島屋マークイズ静岡店、戸田書店静岡本店、戸田書店城北店、江崎書店パルシェ店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店 -
2015年05月28日 次回展「青磁のいま」 チラシもキラキラしています!
現在開催中の「大原美術館展 名画への旅」会期も、いよいよ残り数日となりました。
静岡市美術館開館5周年記念展の第一弾…みなさま、ご覧いただけましたでしょうか。
大原美術館展に続く、開館5周年記念の第二弾は
「青磁のいま―受け継がれた技と美 南宋から現代まで」(会期:6月13日(土)~8月16日(日))
中国に起源を持つ、青緑色を基調とする美しい釉色のやきもの”青磁”。
展覧会では、日本に伝わった中国・南宋時代(12~13世紀)の官窯や龍泉窯の名品から、
古陶磁の再現に心を砕き、次第に独自の青磁を作り出した板谷波山や岡部嶺男など近代の作家、
人間国宝の中島宏をはじめとする現代作家の最新作まで、約120点を一堂に展示します。
南宋時代の古陶磁を起点に、近代、現代までの青磁を通史的に3章立てで紹介する、これまでにない切り口の展覧会です。
こちらが展覧会のチラシです。
画像ではわかりませんが、印刷されたチラシには光沢があり、青磁の釉薬のようなツヤツヤとした質感をしています。出品作品をかたどったオリジナルフライヤー(ミニちらし)もあります!
左:《青磁鳳凰耳瓶(せいじほうおうみみへい)》 龍泉窯 中国・南宋時代 13世紀
読んで字の如く…鳳凰を象った耳付きの花器。
形がとってもユニークです。このフライヤーが一番人気!
中央:岡部嶺男《翠青瓷大盌(すいせいじおおわん)》1968年「貫入(かんにゅう)」という表面のひびも、青磁の見どころのひとつ。
また、展覧会ポスターやチラシの四辺の枠線は、この作品の縁の色からとりました。
右:板谷波山《霙青磁牡丹彫文花瓶(みぞれせいじぼたんちょうもんかびん)》大きな牡丹の花が彫られています。
東京美術学校で彫刻を学んだ波山ならではの技術と表現!
フライヤーの裏面には、各作品の解説文が載っています。
隅々まで、じっくりご覧ください。
チラシ・フライヤーは、静岡市美術館ほか、市内の文化施設・飲食店等で配布しています。
ぜひ、手に取ってみてくださいね。
(c.o)
会期:6月13日(土)~8月16日(日)
観覧料:一般1000(800)円、大高生・70歳以上700(500)円、中学生以下無料
*( )内は前売りおよび当日に限り20名以上の団体料金
*障害者手帳等をお持ちの方及び必要な介助者は無料
※お得な前売り券は、6月12日(金)までの販売です※
取扱い:静岡市美術館(6月11日(木)まで)、チケットぴあ[Pコード766-738]、ローソンチケット[Lコード46746]、セブンチケット[セブンコード:038-261]、谷島屋呉服町本店、谷島屋マークイズ静岡店、戸田書店静岡本店、戸田書店城北店、江崎書店パルシェ店、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店
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2015年05月23日 「大原美術館展」のこり8日です!
静岡市美術館開館5周年記念の第一弾、
「大原美術館展 名画への旅」も残すところ、あと8日となりました。
本展では、モディリアーニ、マティス、ユトリロ、岸田劉生、梅原龍三郎、
棟方志功、山口晃など、大原美術館を代表する75点を紹介しています。
サブタイトルの「名画への旅」は、
お客様が会場を巡ることで名画を楽しむ機会になれば、という思いのほか、
「旅」をキーワードにいくつかの意味を込めています。
ひとつ目は、「児島虎次郎の名画収集の旅」。
大原美術館は1930年に創設されますが、
まだ「美術館」という存在も曖昧な時代において、
西洋美術が常設で鑑賞できる日本で初めての美術館でした。
そのコレクションの基礎を築いたのは、
児島虎次郎(1881-1929)という岡山県出身の洋画家。
虎次郎は倉敷の実業家で大原美術館の創設者である
大原孫三郎(1880-1943)の支援のもと、3度ヨーロッパへ留学し、
自らの画業研鑽の傍ら、モネやマティスといった画家たちと直接交流をしながら
西洋の絵画を日本に持ち帰ります。
この名画収集の旅、そして大原美術館創設までの道のりを紹介しています。
虎次郎の作品は全12点出品されていますが、
なかでも彼が得意とした大画面の人物画は必見です。
2つ目は「日本人画家たちの留学の旅」。
虎次郎のほか、明治末から大正、昭和にかけて多くの日本人画家が西洋へ留学しています。
第3章では、西洋に学びながらも独自の表現を切り拓いていった、
藤島武二、梅原龍三郎、安井曾太郎、須田国太郎、荻須高徳などをはじめとする、
近代日本美術の名作を紹介しています。
西洋出自の油絵具を用いながら、日本人ならではの洋画を追求した彼らの、
挑戦や苦悩を作品から感じられると思います。
そして三つ目は「作品の旅」。
虎次郎が持ち帰った作品のほか、現在の大原美術館には様々な作品が所蔵されています。
これらの作品たちが、制作者である画家の手を離れてからどのような道をたどって大原美術館へやってきたのか、
誰の手元にわたり、どのような展覧会に出品されてきたのか。
本展では、この絵画の履歴書である「来歴」にも注目しています。
残念ながら展覧会では会場の都合、詳しいところまで紹介できていないのですが、
是非図録をご覧いただければと思います。
虎次郎がモネから直接作品を購入した際に発行された領収書の画像など、
貴重な資料画像も多数掲載しています。
(図録は通販も行っています。詳細はこちら→https://shizubi.jp/cafe/mailorder.php)
1点1点の作品にひそむ、名画にまつわる物語にも目を向けてみると、
見慣れた作品の新しい一面を発見できるかもしれません。
大原美術館は創設されてから今年で85年を迎えますが、
美術館の先達として常に積極的な取り組みをされてきました。
当館は2010年に開館、ようやく今年5周年を迎えます。
大原美術館から見たら孫のような立場、まだまだ学ぶべきところが沢山あります。
静岡市美術館の開館5周年記念の第一弾として開催した本展によって、
「美術館」という場を改めて考えるきっかけに、
また美術作品と社会がどうつながっているのか、ということにも目をむける機会となることを願っています。
会期はのこりわずかです。どうぞお見逃しなく!
(a.i.)
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2015年05月23日 「大原美術館展」観覧者2万人達成と、展覧会グッズのご紹介
久しぶりの更新です。広報担当のAです。
昨日、「大原美術館展 名画への旅」の来館者が2万人を達成しました!
栄えある2万人目の方は、焼津市からお越しのご夫婦でした。
静岡県立美術館で開催中の「篠山紀信展 写真力」をご観覧されたのちに、
当館にお寄りいただいたとのこと。ありがとうございます。
美術館から感謝をこめて、展覧会グッズの詰め合わせ、そして展覧会カタログをお渡しししました。
さて、「大原美術館展 名画への旅」は、連日多くの方にご来館いただいております。
大原美術館の豊かなコレクションのなかから、厳選した75点の作品を紹介するこの展覧会。
ミュージアムショップでも、展示作品に関連するグッズを取り扱っております。
今回は、上記の2万人目の方にもお渡しした「大原美術館展 名画への旅」グッズ、なかでもオススメのものをご紹介します。
まずはこれ。
展覧会グッズといえばコレですね。ポストカードです。
ご観覧後、展示室の様子を振り返りながら、お気に入りの一枚を探すのは、なかなか楽しいものです。
また、郵便に使うのはもちろん、手頃なサイズですので、本棚などに飾ってインテリアとして活用するのもオススメです。
さて、次は遊び心あふれるグッズです。
これ、何かお分かりになりますか?
なんと、大原美術館オリジナルマスキングテープです!
柄は、大原美術館の建築をモチーフにしたもの、動物柄、そして、ポール・シニャックの点描のタッチを使ったものの3点です。
これは非常に可愛い一品。
手紙の封や、デスクまわりや手帳でのメモの貼付など、小物が引き立つアイテムです。
個人的には、建築をモチーフにしたテープが好みです。
さらにもうひとつ。
大原美術館館長である高階秀爾氏による書籍です。
・・・大学に入学したての頃、『名画をみる眼』をはじめとする高階先生の本を読んで勉強させていただきました。
(もう15年も前の話ですが)
西洋美術を学ぶ上で最適な書籍だと思います。
「大原美術館展」では、通常より多めのラインナップでご著書をご紹介しています。
そして最後はコレ。
「大原美術館展 展覧会カタログ」です。
「展覧会のカタログは、重くて持ち帰るのが大変・・・」という方もいらっしゃるかと思いますが、今回のカタログはちょっと違います。
総ページ数184ページにして、重さなんと530g。
コンビニエンスストアで買う500mlのペットボトル飲料と、ほぼ変わらないのです。
大きさもA4より一回り小さいハンディタイプ。
手触りのよい用紙を使い、質感にもこだわりました。
カタログには、大原美術館学芸課長の柳沢秀行氏によるテキスト、出品作品を網羅した作家、作品解説を掲載しています。
また、大原美術館のコレクションを築いた児島虎次郎の3度にわたる洋行、コレクションの形成、美術館開館までを、
それぞれ見開きページで詳細に紹介しました。
展覧会をご観覧後、改めてページを開いて、展覧会や作品の余韻を味わっていただければと思います。
(図録は通販も行っています。詳細はこちら→https://shizubi.jp/cafe/mailorder.php)
さてさて、このほかにもショップでは様々なグッズを扱っています。
キーホルダーにマグネット、クリアファイルなど、どれも展覧会の魅力を伝えるものばかりです。
「大原美術館展 名画への旅」は会期残りわずかとなりましたが、ぜひご観覧の上、お楽しみいただければと思います。
(R.A)
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2015年02月22日 清親展 3月1日までの展示作品から
小林清親展では会期中3回ほど展示替えを行います。2月22日(日)で展示が終了する作品については先日ご紹介したとおりですが(https://shizubi.jp/blog/100-1/)、その一週間後、3月1日(日)と3日(火)の間の展示替えでは84点もの作品が入れ替わります。
3月1日(日)までの展示作品のうち、ぜひご紹介したいもののひとつに《日本橋夜》があります。
《日本橋夜》 明治14年 静岡県立美術館ガス灯に照らされた夜の日本橋を描いた作品です。清親の作品にはしばしばガス灯が登場しますが、この《日本橋夜》では、ガラスのフードの中の炎や、星のようにきらめく遠方の明かり、そして、人工の光に照らされてできた影までもが描き込まれています。明治の夜景の美がとらえられた名作です。
この作品はいくつかの摺りの異なるものが知られています。天から下に向かって色が明るくなる一文字ぼかしで夜空を表したものが多い中、静岡県立美術館所蔵のものは雲のように複雑なぼかしがほどこされており、特に美しい1枚です。この、静岡県立美術館所蔵の《日本橋夜》は3月1日(日)まで、静岡会場のみの出品となります。
もう1点、前期展示のものからご紹介したいのが《猫と提灯》です。
《猫と提灯》 明治10年頃 千葉市美術館猫の毛並みや提灯の凹凸など細かいところまで描写が行き届いた、非常に手の込んだ作品です。点線で表された猫のひげや、何度も摺り重ねて表された背景の深い緑色などは、実物で是非ご確認いただきたいところです。猫の首輪の赤も、摺りを重ねて立体感が出されています。19面の版木を用い、落款も含め35回の摺りを重ねて制作されたという素晴らしい木版の技を、ぜひご覧ください。
この作品は《猫と提灯》という題名ですが、画中にはもう一つ、重要なモチーフが描かれています。猫が追いかけているその生き物は…提灯の中に隠れています。清親の遊び心が感じられますね。
一方、3月3日(火)から登場する名作もあります。
《東京銀座街日報社》 明治9年 千葉市美術館本展のポスターやチラシに使用した《東京銀座街日報社》がいよいよ後期から展示されます。本作品には、煉瓦や石造りの西洋風の建物が建ち並ぶ新しい銀座の街が描かれています。「東京日日新聞」の看板を掲げた新聞社が見え、人力車や馬車が行き交う光景は文明開化の時代を感じさせます。人物や建物には、薄墨色の摺りを重ねた陰影がつけられており、どことなく西洋風の印象を与える効果を上げています。澄み切った水色の空と、人力車の赤ケットの対比が鮮やかな作品です。
肉筆画も多くの作品が入れ替わります。
武者絵の傑作《川中島合戦図屏風》や晩年に長野県の松本で描いた《待乳山遠望竹屋の渡図》は3月1日(日)までの展示です。替わって後期、3月3日(火)からは、ライオンを描いた《獅子図》や初公開の武者絵《那須与一 扇の的 平景清 錣引き》が展示されます。すべての作品を一度にお見せできず心苦しいですが、前期と後期、どちらをご覧いただいても満足度が変わらないよう心がけて振り分けました。お目当ての作品のほかにも、思わぬよい出会いがあるかもしれません。ぜひご観覧ください。
(y.k.)
没後100年 小林清親展 文明開化の光と影をみつめて
3月22日(日)まで 10:00~19:00 月曜休館
展覧会情報はこちら https://shizubi.jp/exhibition/future_150207.php
作品リストはこちら(展示期間も入っています) https://shizubi.jp/img/exhibition/kiyochika_list.pdf
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2015年02月12日 2月15日、カタログ刊行記念・トークセッション「ヒトのカタチ、彫刻」開催!
昨年末からエントランスホールで開催中のShizubi Project 4「ヒトのカタチ、彫刻」(3/22日まで)、皆さんもうご覧いただきましたか?エントランスには、樹脂や陶、漆を素材に、それぞれの”ヒトのカタチ”を展開する3人の作品がならんでいます。さて、その関連事業として今週末の日曜日に、カタログ刊行記念・トークセッションを実施します。3人の出品作家に加え、公式カタログにテキストを執筆いただいた気鋭のお二人の識者を交え、ヒトのカタチと彫刻にまつわる様々なお話をお聞きする予定です。参加無料、申し込み不要ですので、是非、この機会にご参加ください。●Shizubi Project 4「ヒトのカタチ、彫刻 津田亜紀子/藤原彩人/青木千絵」カタログ刊行記念 トークセッション「ヒトのカタチ、彫刻」日時:2月15日(日)14:00~16:30(開場13:30)会場:静岡市美術館多目的室 参加無料 申込不要【進行:静岡市美術館学芸員 伊藤鮎】14:00以倉新(静岡市美術館学芸課長)「ヒトのカタチと『彫刻』」(15分)金井直(信州大学人文学部准教授)「チョウコク あるいは、弱い触角」(15分)阿久津裕彦(美術解剖学)「人体と人体彫刻」(15分)14:50~15:00(10分) 休憩津田亜紀子(10分) 自作紹介藤原彩人(10分) 自作紹介青木千絵(10分) 自作紹介ディスカッション・質疑応答(60分)16:30 終了美術館のエントランスホールを使って、毎年1回、現代の美術を紹介してきたシズビプロジェクトも4回目を迎えました。これまでは1人の作家のワンマンショーだったが、今回初めて3人の作家を紹介しています。ギリシャ、ローマの昔から、もともと西洋では「彫刻」とはまずは人の形のことであり、その意味で人体彫刻は「彫刻」の王道なのですが、タイトルで「ヒトのカタチ」と「彫刻」を「=」ではなく「、」でつないだところに、今回のプロジェクトのささやかな意味を込めています。というのも、20世紀初めの「抽象彫刻」の出現とアヴァンギャルド(前衛運動)の進展以降、「オブジェ」や「立体」など、およそ「彫刻」らしからぬものが登場して久しい今日この頃、そんな現代において、何の疑問もなく人体像を「彫刻」として作り続けることはできないだろう、という問題意識なのです。もちろん、今回の3人だけで現代の多様な「彫刻」の状況を概観できるものではありませんが、年齢も素材も違う今回の3人の作品は、現代において人の形を「彫刻」として作ることの意味を考えさせてくれます。津田亜紀子(1969‐)さんの、レース生地や、植物が生い茂る厚手の生地を樹脂で固めた軽やかな女性や子どもの姿。藤原彩人(1975‐)さんの、陶による矮性の小人か、宇宙人のような虚ろな表情の立像。そして青木千絵(1981‐)さんの、漆の漆黒の闇に包まれたリアルな下半身に、ぼってりとした不定形の塊がついた頭のない人の姿。三者三様のヒトのカタチに、現代に生きる「私」とは何かを考えさせられます。津田亜紀子 椅子に座る06 2006年 樹脂、布藤原彩人 首像/意識の壺 2014年 施釉陶青木千絵 BODY10-1 2010年 漆、麻布、スタイロフォーム撮影:神藤 剛(a.i) -
2015年02月11日 2月22日までの展示作品から
木版画や日本画は光に弱い材質でできているため、長期間展示することができません。
そのため、このたびの清親展でも何回か展示替えを行います。前期[3月1日(日)まで]と後期[3月3日(火)から]の入れ替えで最も多くの作品が入れ替わりますが、一足早く、2月22日(日)までの2週間で展示が終了する作品も21点ほどあります。
木版画では、清親の最も早い時期の作品の一つ《東京五大橋之一 両国真景》や、月明かりと水面の反映が印象的な《今戸橋茶亭の月夜》など19点が22日までの展示となっています。
《東京五大橋之一 両国真景》 明治9(1876)年 山口県立萩美術館・浦上記念館
《今戸橋茶亭の月夜》 明治10(1935)年頃 山口県立萩美術館・浦上記念館《橋場の夕暮れ》は空の色が違う摺りのものがいくつか知られていますが、空が青くて雲がほんのり赤みを帯びる神奈川県立歴史博物館所蔵のものは22日までの展示です。空が灰色で雲が一面ピンク色に染まる個人蔵(練馬区立美術館寄託)のものは、こちらの作品と入れ替わりで、2月24日から3月8日まで展示します。
《橋場の夕暮れ》明治13(1880)年
(左)神奈川県立歴史博物館 (右)個人蔵(練馬区立美術館寄託)また肉筆画では、《四季幽霊図》(福岡市博物館)と《初午詣》(個人蔵)の2作品が22日で展示終了となります。《四季幽霊図》は四幅対の力作です。幽霊と言えば夏のものと決まっていそうなものですが、清親は趣向を凝らして四季折々の幽霊図を考え出しました。恐ろしいというよりは、哀愁漂う幽霊たちです。ぜひ会場に会いに来てください。
《初午詣》 明治41(1908)年 個人蔵
一方の《初午詣》も興味深い作品です。というのも、印章から、清親の還暦記念千画会で描かれたものと分かるからです。還暦記念千画会というのは、清親の還暦を祝う会であるにもかかわらず、祝われる当人の清親が1日で千枚の絵を描かされるという催しだったそうです。清親の五女・哥津の回想によると、会場に着いた清親は十干十二支の順に合わせて1点20秒足らずで次々と筆を振るい、夕方までには予定の1000枚を描き上げ、さらには超過の分まで描き続けて夜にはご機嫌で帰ったとか(小林哥津『清親考』素面の会、1975年)。
60歳のことを還暦というのは、十干と十二支を組み合わせてできる「甲子」「乙丑」「丙寅」のような干支(えと)が60種類すべて経過して、初めの甲子に戻ることからそう呼ばれます。還暦の画会で十干十二支の画題とは洒落た趣向ですね。
この《初午詣》には「甲午寓意」と記述があります。「甲午」は31番目の干支ですから、描き始めてから31枚目か、あるいはさらに60種類を一周したのちの91枚目か、はたまた151枚目か…。何しろ1日で1000枚ですから、甲午(きのえうま)の画題だけでも16枚は描いたはずです。還暦を迎えた清親の元気さが伝わってくる作品です。
開幕から2週間で展示替えとなる作品の一部をご紹介しました。どうぞお見逃しなきよう。
(y.k.)
没後100年 小林清親展 文明開化の光と影をみつめて
3月22日(日)まで 10:00~19:00 月曜休館
展覧会情報はこちら https://shizubi.jp/exhibition/future_150207.php
作品リストはこちら(展示期間も入っています) https://shizubi.jp/img/exhibition/kiyochika_list.pdf
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