• 2021年11月10日 フランス近代風景画の展開

    19世紀のフランスで風景画は大きな進展をとげます。官立の芸術機関であったアカデミーでは、古くから絵画ジャンルに序列が設けられ、神話や聖書の物語に取材した歴史画と比べて、風景画や風俗画は劣るものと考えられていました。19世紀初頭になると、こうした状況を打開すべく、アカデミーで風景画の地位向上を目的とした制度改革が実施されます。特別な知識や教養を必要としないこの絵画主題は、フランス革命を機に台頭したブルジョワジーの間で高い人気を博すようになりました。and more

  • 2021年10月30日 「グランマ・モーゼス展」来場1万人を達成!

    10月29日、「グランマ・モーゼス展」の来場者が1万人を達成しました。
    1万人目のお客様は、島田市からお越しのご夫婦。

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  • 2021年10月07日 グランマ・モーゼス展 作品紹介⑤《来年までさようなら》

    色鮮やかな深いブルーの夜空にまたたく無数の星。月の光に照らされ白銀に輝く木は、羽根のような枝を大きく広げています。目指すは赤い煙突の家でしょうか、左手からトナカイの曳くそりに乗ったサンタクロースが夜空を翔けてきます。辺り一面、青一色の幻想的な光景です。

    アンナ・メアリー・ロバートソン・”グランマ”・モーゼス 《来年までさようなら》
    1960年 個人蔵(グランマ・モーゼス・プロパティーズ、ニューヨーク寄託)© 2021, Grandma Moses Properties Co., NY


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  • 2021年10月06日 グランマ・モーゼス展 作品紹介④《シュガリング・オフ》

    2月、まだ雪が残るメープルの森の中では、木から採取した樹液を煮詰めてシロップや砂糖を作るシュガリング・オフが行われます。

    アンナ・メアリー・ロバートソン・”グランマ”・モーゼス 《シュガリング・オフ》1955年 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託)© 2021, Grandma Moses Properties Co., NY


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  • 2021年10月05日 グランマ・モーゼス展 作品紹介③《アップル・バター作り》

    モーゼスが暮らした村での晩夏の恒例行事、アップル・バター作りは早朝から始まります。

    アンナ・メアリー・ロバートソン・”グランマ”・モーゼス 《アップル・バター作り》1947年 個人蔵(ギャラリー・セント・エティエンヌ、ニューヨーク寄託)© 2021, Grandma Moses Properties Co., NY


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  • 2021年10月03日 グランマ・モーゼス展 作品紹介②《5月:せっけんを作り、羊を洗う》

    1940年、80歳で開いたニューヨークの画廊での初個展をきっかけに、モーゼスは急速に注目を集め、画廊主オットー・カリアーの支援を受けて画家としての道を歩み出します。農村での暮らしの情景を豊かな色彩と素朴な筆致で描いた作品は、懐かしいアメリカの原風景として人々の心を捉えました。

    アンナ・メアリー・ロバートソン・”グランマ”・モーゼス 《5月:せっけんを作り、羊を洗う》1945年 ミス・ポーターズ・スクール、ファーミントン、コネチカット(レイモンド・F・エヴァンス夫人による寄贈)
    © 2021, Grandma Moses Properties Co., NY


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  • 2021年10月02日 グランマ・モーゼス展 作品紹介①《初めての自動車》

    アンナ・メアリー・ロバートソンは、1860年、ニューヨーク州北部の農村に生まれました。

    12歳で奉公に出て、同じ働き手のトーマス・サーモン・モーゼスと27歳で結婚しました。二人はヴァージニア州北端の渓谷近くで農場を手に入れ子どもを産み育て、18年後に帰郷。子ども達が巣立ち、67歳で夫に先立たれたモーゼスは70代にして本格的に独学で絵を描き始めるようになります。and more

  • 2021年09月23日 モーゼスおばあちゃんの絵が語るもの

    グランマ・モーゼスの愛称で親しまれるアンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスは、独学で絵を描いたアメリカの国民的画家です。

    制作中のグランマ・モーゼス 1946年 写真:Otto Kallir © 2021, Grandma Moses Properties Co., NY


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  • 2021年08月27日 没後70年 吉田博展 作品紹介⑤《陽明門》

    吉田博は版画制作の際、下絵の段階から最終的な色合いを構想し、版を重ねるための色の分解を考えました。制作に先立つ、この色分解こそが、版画の成否を決める重要なプロセスだといいます。多くの作品は12面から20面ほどの版木を用いて、30数回程度摺り重ねています。

    本作品は、吉田博の版画の中でも最も多い96度摺り。どのように色が組み合わされたのか、完成作から読み取ることは不可能です。複雑な建物の陰影は非常に深い色を呈し、神秘的な雰囲気すら漂います。

    《陽明門》 昭和12(1937)年


    (k.y)

     

    没後70年 吉田博展
    会期:2021年6月19日(土)~8月29日(日) ※月曜休館

     

     

  • 2021年08月25日 没後70年 吉田博展 作品紹介④《タジマハルの朝霧 第五》《タジマハルの夜 第六》

    1930(昭和5)年11月から翌2月にかけて、吉田博はインドや東南アジアの旅に出ました。タージマハルのあるアーグラは重要な目的地のひとつ。同地で満月を迎えられるよう旅程を組んだといいます。

    満月のもと、夜景をも写生できた吉田は、帰国後タージマハルを題材に6種類の版画を制作。5番目と6番目の作品では同じ版木を色を変えて摺る別摺の手法を用い、優美な霊廟の朝と夜のバリエーションを作り出しました。朝霧でかすむ庭園の広大さ、夜間の抑えた色合いに際立つ灯明が印象的です。

    《印度と東南アジア タジマハルの朝霧 第五》《印度と東南アジア タジマハルの夜 第六》昭和7(1932)年


    (k.y)

     

    没後70年 吉田博展
    会期:2021年6月19日(土)~8月29日(日) ※月曜休館