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2012年02月10日 2/26 ピーター・バラカンの「音を見る。アートを聴く。」 第5回のお知らせ
2/26(日)に開催するトークイベント
「ピーター・バラカンの『音を見る。アートを聴く。』」
第5回「現代音楽をあそぶ」のお知らせです。「現代音楽」と聞くと「難解なもの」という印象をもたれる方が多いのではないでしょうか。
ですが、実は私たちが普段耳にしているポピュラーミュージックやロックの中にも、
現代音楽の方法を生かした作品を聴くことができます。
それらの音楽を耳にした私たちは、決して「難解なもの」として捉えていません。今回のイベントでは、身近なポピュラーミュージックなどを通して現代音楽を聴き、
本来あるべき音楽の姿としての「楽しさ」を、現代音楽の中に見てみようと思います。今回のゲストは、キーボード奏者、作曲家、映像作家、フォトグラファー、ライトペインティング作家等、
多方面で活躍中のモーガン・フィッシャーさんです。フィッシャーさんのプロフィールはこちらをご覧ください。
今日は、当日の内容を少しだけご紹介します。
その1:フィッシャーさん秘蔵の、珍しい楽器の生演奏!
アナログからデジタルまで、種類や時代を越えた素晴らしい楽器コレクションをお持ちのフィッシャーさん。
当日は、その中からいくつかの楽器をお持ちいただき、演奏してくださいます!どのような楽器かというと…
・Triadex Muse
約40年前につくられた、シンセサイザーの原型ともいうべき楽器です。
その他にも…
見たことのない楽器ばかり!
一体どんな音がするのでしょうか…
当日の演奏が楽しみです!
その2:ライブサンプリングによる曲作りも!
現代音楽家として有名なスティーヴ・ライヒも、この手法を用いて作曲しています。
実際にミニマルミュージックが生まれる現場を、みなさんにも味わっていただければ幸いです。さて、最後にフィッシャーさんからの問題です。
この文章は、いったい誰が、いつ、書いたものでしょうか?
答えは当日のイベントでフィッシャーさんよりご紹介します!
(後日ブログにもアップします)さて、こちらのイベントの申込締切日は2/14(火)となります。
皆さまのお申込み、お待ちしております!
※応募者多数の場合は抽選となります。予めご了承ください。イベントの詳細、お申し込みはこちらです。
(m.y)
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2012年02月08日 しずびオープンアトリエ、はじまりました!
2/4(土)からスタートした
しずびオープンアトリエ「はんこでつくろ!夢二デザイン」。
初回からたくさんの方にご参加いただきました!ありがとうございます。今日はオープンアトリエの内容や、当日の様子をご紹介します。
これから3/25(日)まで、毎週土日に1日2回開催しますので、
皆さんぜひご参加ください!(2/11(土)はおやすみです。)今回のオープンアトリエでは、
只今開催中の展覧会「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展に合わせ、
夢二作品をもとにした「消しごむハンコ」を利用して、
ぽち袋やカレンダー、レターセットなど、全5種類の中から
好きなプログラムを選んで制作します。竹久夢二と言えば、叙情的な”夢二式”美人画を思い浮かべる方が多いと思います。
それらの作品の細部を、注意深く見ていただくと、
さまざまな「もよう」が使われていることにお気づき頂けるのではないでしょうか。例えば、今回の展覧会の調査中に新たに市内で発見された《茶屋の娘》をご覧ください。
《茶屋の娘》
拡大して見てみると…
着物の柄には、鹿の子、網代、波に千鳥、そして暖簾は蕨…。
1枚の作品の中に、これほどたくさんの「もよう」が登場します。また、夢二は現代で言うグラフィック・デザイナーとしても優れた才能を発揮し、
本や楽譜の装幀、一筆箋、祝儀袋、ポストカード 等々…
生活美術のあらゆるデザインを手がけました。これらの作品に使われている「もよう」を消しゴムハンコにしたものがこちら!
大別すると、「夢二のつくったもよう」と「日本に古くからあるもよう」の2種類があります。
今回は、これらのハンコを組み合わせてパターンをつくり、
それを使ってぽち袋やカレンダー、レターセットなどをつくります。まず、5つのプログラムの中から好きなものを選びます。
すべて作り方ガイドがあるので、初めての方でも楽しく作れます。次に、ハンコとスタンプ台の色を選んで…
自分だけのパターンをつくります。
パターンが完成したら、切ったり折ったりして形にしていきます。
すると…夢二もようの小物が完成!
4、5日と続けてご来館いただいたお客様も!
みなさん、一度と言わず、ぜひ5つのプログラムすべてチャレンジしてみてくださいね。オープンアトリエは小学生以上の方でしたらどなたでも参加できます。
低学年向けの簡単なものから、大人向けの凝ったプログラムもご用意しておりますので、
ご家族やお友達と、お誘いあわせの上、ぜひご参加ください。オープンアトリエで夢二のデザインに触れ、作品を鑑賞すれば、
きっと夢二の作品が身近に感じられるはずです。今週の土曜日2/11はお休みですので、次回は12(日)となります。
①13:30~ ②15:00~ 各回約1時間のプログラムです。詳細はこちらをご覧ください。
では、ワークショップ室でお待ちしております!
(m.y)
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2012年02月08日 竹久夢二の新発見の肉筆美人画を特別公開中!!
静岡市美術館で開催中の「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展では、
新発見された夢二の肉筆美人画《茶屋の娘》を特別公開しています。
2月4日には、報道向けの説明会を行いました。
新聞やテレビの報道をご覧になった方も多いかと思います。《茶屋の娘》と命名されたこの作品の発見経緯を、簡単にご紹介いたします。
昨年の秋頃、展覧会の中心となる志田コレクションを調査研究する中で、
「静岡市内に重要な夢二の肉筆画がある」という内容の記述を、
夢二研究の第一人者、長田幹雄(ながたみきお)氏の志田喜代江氏宛ての書簡より発見しました。これを調査したところ、市内の旧家より、二曲一隻の屏風に貼り付けられた、美しい夢二式美人が見つかりました。
志田氏自身も、かつてこの肉筆美人画を追い求め、この旧家を訪ねてきたそうです。
展覧会への特別出品を依頼し、本展で文字通り”初公開”の運びとなりました。暖簾をくぐって現れたかわいらしい娘。
やや腰をかがめ、体を傾けた姿勢は夢二式美人ならではの姿です。
この作品は、夢二が肉筆画を描きはじめた頃の作品と推定され、夢二式美人を確立した、
夢二の貴重な肉筆画の優品であると言えます。夢二研究家の谷口朋子氏によると、夢二の作品は当時から贋作が多く、
地方の旧家から発見されることはあっても、夢二の真筆と断定されるのは珍しいとの事。
研究者の間でも知られていなかった、そして過去、どの書籍にも掲載されることのなかった
夢二の肉筆画が発見されることは稀で、この作品が公開されることは、非常に貴重な機会です。皆さまこの機会にぜひ、ご覧くださいませ。
展覧会 「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」
前期:1月7日(土)~2月12日(日) 【特別出品】中川雄太郎と静岡の創作版画
後期:2月18日(土)~3月25日(日) 【特別出品】平野富山と”彩色木彫”の美
※作品保護の為、前期後期で一部作品の入れ替えを行います。
展示替え期間中は、本展はご覧いただけません。ご了承ください。(c.o)
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2012年01月21日 「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展 ギャラリートークを開催しました
寒い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
静岡市美術館では「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展を開催しています。
「静岡が育んだコレクター」「静岡が生んだ作家」「静岡にやってきた作家」をキーワードに、
静岡ゆかりの作品を約330点で紹介します。さて、1月15日(日)、21日(土)にギャラリートークを実施しました。
展示室の様子と共にご紹介いたします。展示室に入ると、足元に東海道五十三次ひとめ図の完成予想図が。
東海道の中心にある静岡…ここでは屏風や絵巻に描かれた”静岡”を紹介しています。志田喜代江氏が集めた作品を前に、夢二の作風や、志田コレクションの特徴についてお話しました。
皆さん、1点1点見比べるようにじっくりと鑑賞されていたのが印象的でした。装幀やポチ袋などの生活デザインも夢二作品の魅力。
前期特別出品:中川雄太郎と静岡の創作版画
版画家として、郷土史家として、教育者としての雄太郎の姿をご覧いただきました。次回のギャラリートークは、後期に実施します。
2月19日(日)、3月17日(土)、いずれも10:30~、17:00~の1日2回です。
参加無料(要観覧券)、申込不要です。お気軽にご参加ください。前期・後期で作品の一部が入れ替わりますので、
今回ご参加いただいた方も、またお楽しみいただけると思います。ご来館、お待ちしております!
■「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展 関連イベントのお知らせ■
新しい視点で竹久夢二研究を続けている谷口朋子氏に、
女性ならではの視点で集められた「志田コレクション」の魅力をお話いただきます。日 時 : 2月4日(土) 14:00~15:30(開場 13:30)
講 師 : 谷口朋子氏(竹久夢二研究家)
会 場 : 当館多目的室
参 加 料 : 無料
申込締切 : 1月25日(水)必着(c.o)
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2012年01月18日 「匠の技-蒔絵」を開催しました。
3週連続で静岡の匠の技を紹介する
「静岡の匠」展関連イベント「匠の技」の第2弾は、
静岡県蒔絵工業協同組合の皆さんによる実演とワークショップです。
(第1弾 漆の実演、ワークショップの様子はこちら。)静岡県蒔絵工業協同組合の皆さんは、
1月4日に完成お披露目をした漆芸作品
《東海道五十三次ひとめ図》の制作に携わられた方々です。ひとめ図の木地に施された真っ黒な漆の上に、
流麗な線で描かれた波や帆船、富士山や安倍川。
この黄金に輝く部分を、静岡県蒔絵工業協同組合の皆さんが
さまざまな蒔絵の技法を駆使して描きました。ぜひ、近くでご覧になってください。
中には、漁をしている人の姿も…!
実演では”置き目”といって、下絵の輪郭線を転写した上に、
筒の先に絹の紗がはってある”粉筒”(ふんづつ)という道具を使って
実際に粉蒔きをしていただきました。
粉筒を使いこなせるようになるまでには、何年もかかるそう。
ぼかし蒔きという技法で、花びらを1枚1枚丁寧に描いていく職人さん。
あまりにも繊細な作業なので、見ている私まで、つい息を止めてしまいました。
当日は、貴重な道具や、粉蒔きで使用する本金粉や銀粉、プラチナ粉、
また、 “螺鈿”(らでん)とよばれる(貝の真珠層を模様の形に切って飾る)技法で用いる
夜光貝やアワビなどの貝もお持ちいただきました。どれも美しい!写真の金粉は”平目粉(ひらめふん)”といって、
金粉をたたいて、平べったくした粉です。このように、蒔絵で使用される粉には、
材料や粒子の細かさによってさまざまな種類があり、
職人さんたちはこれを使い分けて描いているんですね。奥が深い!!ワークショップでは、なんと!
実際に”粉筒”を使って粉蒔きをさせていただきました!
本格的な蒔絵の技法を体験できる、とても貴重な内容となりました。まず、職人さんが2パターンの富士山の図柄を考え、
それを型紙にしてくださったものを使い、
ローラーを使って、模様の部分に薄くカシュー漆を塗っていきます。
ローラーを転がすので”ころがし”と呼ぶそうです。
その上に、さまざまな色の粉を蒔いていきます。
富士山や富士山にかかる霞は、綿を使って描きます。
皆さん、蒔絵を体験するのはもちろん初めてです。
5人の匠が熱心に指導してくださいます。
富士山の上には、粒子の粗い粉を、粉筒を使って蒔きます。
富士山に雪が積もりました!桜の花や、枝などをカシュー漆で描いて、また粉蒔きをして・・・
完成した作品がこちら!
どの作品も本当に美しく仕上がりました!さて、「匠の技」最終回は
1月21日(土)14:00から彫金の実演を開催します。
予約は不要ですので、当日直接会場、当館エントランスホールにお越しください。そして、多目的室にて開催中の「静岡の匠」展は、
今月22日(日)が最終日となります!展示室にて開催中の「竹久夢二と静岡ゆかりの美術」展と併せて
ぜひご覧ください。(m.y)
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2012年01月18日 「匠の技-漆」を開催しました。
静岡市美術館では、多目的室にて1月7日より開催中の「静岡の匠」展にあわせ、
3週連続で、静岡の匠の技を紹介するイベントを開催中です!第1週目である8・9日は、静岡漆器工業協同組合の皆さんによる
漆の実演とワークショップを行いました。静岡漆器工業協同組合の皆さんは、1月4日に完成お披露目をした漆芸作品
《東海道五十三次ひとめ図》の制作に携わられた方々です。当日は、この《東海道五十三次ひとめ図》に用いられた技法の解説も含め、
駿河漆器独自の”変塗(かわりぬり)”の魅力を存分にご紹介いただきました。まずは実演の様子からご紹介します。
“変塗”とは、江戸時代、刀の鞘塗(さやぬり)から派生したもので、
漆に顔料で色をつけた色漆(いろうるし)、金属箔(きんぞくはく)、卵殻(らんかく)などを入れ、
模様をつくる”塗り”の技法のことです。
静岡特有の変塗が何種類も考案されており、中には特許を得た技法もあるんですよ。こちらの写真は、”駿河炭”という研磨用の炭を使って
“研ぎ出し”とよばれる作業をしているところです。
駿河炭は油桐を焼いて作った炭で、全国的にも有名なんですよ。当日は、職人さんが普段使っている道具も持ってきていただきました。
漆を塗る作業には、女性の髪の毛で作られた刷毛を使います。
最高級の刷毛は、70㎝以上ある海女の髪を切り、50年以上置いたものなのだそうです!先代から受け継いだ刷毛を、参加者の皆さんも実際に触らせていただきました。
実演の合間には、《東海道五十三次ひとめ図》の前で
それぞれの職人さんが担当されたパーツの変塗のお話もしていただきました。
(ひとめ図は国割のパーツごとに、それぞれ異なる31種の変塗で表現しています!)こちらの表面を丹念に研ぎ出していくと…
とても美しい模様が浮かび上がってきます!
この光り輝く部分には、夜光貝やアワビの貝が施されています。皆さん、熟練した職人の技に、食い入るように見入っておられました。
さて、ワークショップでは、
“卵殻ばり”という変塗の技法を用いて絵を描きました。卵殻ばりは、読んで字の如く卵の殻を貼る技法です。
まず、ひとめ図の中から卵殻ばりが施されたパーツをみんなで探し、
職人さんから卵殻ばりの歴史について教えていただきました。卵殻ばりは、漆で表現することのできない白い色を画面に作り出すために発案され、
また、その白い涼しげな色合いから夏に使用する物によく用いられた、など
貴重なお話をたくさん伺うことができました!その後、ワークショップ室へ戻り、制作に入ります。
予め漆塗りが施された板に、カシュー漆
(カシューナッツの殻から絞られた油が原料の漆)で絵を描き、
そこに小さく砕いた卵殻を、つまようじの先に水をつけ、
ひとかけらずつ丁寧に貼っていきます。年の初めということもあり、
今年の干支である辰や、富士山を描いた参加者が多かったです。ワークショップ終了後、作品は講師を務められた職人さんが
工房に持ち帰りました。この後、作品の上に2回、3回、と漆を塗り重ね、
駿河炭で卵殻ばりの図柄が浮き出るまで、丹念に研ぎ出します。作品の横にある紙には、
あわびの貝を貼ってほしい場所が記されています。研ぎ出しの作業が終わった後、職人さんがひとつひとつ手作業で
貝を切り、貼ってくださるそうです!仕上がった作品は、2週間後に美術館に届けられます。
私たちも今から完成した姿を見るのが待ち遠しいです!さて、実演やワークショップで講師を務めていただいた職人さんたちの作品展
「静岡の匠」展を、当館多目的室にて今月22日(日)まで開催中です。まだご覧になっていない方はどうぞお見逃しなく!
(m.y)
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2012年01月15日 「しずびチビッこプログラム第4回」開催しました!
ご報告が遅くなりましたが、12月3日(土)の午前・午後2回、「しずびチビッこプログラム第4回」を開催しましたので、その様子をご報告したいと思います。
チビッこプログラムは、2歳以上の未就学児を対象とした、アート体験プログラムです。
小さな子どもでも安全に楽しめるプログラムを展覧会ごとに用意し、初めての美術館体験・アート体験を応援。また、保護者のみなさまにはゆっくりと展覧会鑑賞をお楽しみ頂くという、親子ともに楽しんでめる内容となっています。当館のイベントの中でも、特に人気の高いイベントです。
興味のある方は、ぜひご応募して下さいね。
(次回のご案内は、こちらをご確認下さい )今までのチビッこプログラムは、開催中の展覧会に合わせた内容で開催してきましたが、今回はクリスマスが近いこともあり、「オーブン陶土」という粘土を使って、クリスマスツリーに飾るオーナメントを制作しました♪
粘土でオーナメント??
と思われる方もいるかもしれません。
百聞は一見に如かず。
さっそく、小さなアーティスト達のアトリエをご覧頂きましょう!まずは簡単に、道具の使い方やどのようなものを作るのかを、当館の職員が説明します。
クッキー型を使うなど、簡単に可愛い形ができてしまうから、この時点で大騒ぎ!
「お星さまだ!」
「しましまになったよ!」
「早くやりたい!」粘土はベージュ・黒・ピンクの3色。
好きな色を選んでもらい、制作開始です。色々な道具を使って、みんな思い思いに形をつくります。
大人では発想できない、芸術的な作品も生まれて、感心させられます。
こんなに可愛らしい作品が完成しました!
この「オーブン陶土」は、自宅にあるオーブンで焼成することで、陶器のような強度になります
おうちでお父さん、お母さんに最後の仕上げをしてもらって完成です。おうちに持って帰る前にツリーの台紙に飾り付けて…。
じょうずにできました!
ひと仕事終わったあとは、終わりのあそび。
絵本を読んだり、どっちの手におもちゃが入っているかを当てたり…。
1時間30分という長時間にも関わらず、みんな最後まで集中して参加してくれました。しずびチビッこプログラム第5回は、2月11(土・祝)に開催します。(詳細はこちらをクリックして下さい)
申込締切は1月24日(火)です。興味のある方は、ぜひ応募して下さいね。(k.s)
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2012年01月04日 《東海道五十三次ひとめ図》お披露目です!
新年あけましておめでとうございます。
静岡市美術館が開館して、2回目のお正月です。本日、新しい年の幕開けにふさわしい、素晴らしい作品が静岡市美術館に仲間入りしました。
静岡市美術館開館1周年を記念し、静岡市の伝統工芸技術秀士らが、
2年にわたり共同制作した漆芸作品《東海道五十三次ひとめ図》です。この《東海道五十三次ひとめ図》は、
今から410年前に徳川家康が定めた東海道五十三次を一画面に描いた、
東海道を一目で見渡すことができる作品です。静岡市美術館のロゴマークや案内サインをデザインした、
アートディレクターの柿木原政広氏が図案を描き、指物師の方が木地を切り抜き、
静岡漆器工業協同組合の皆さんが下地を作り、
駿河漆器独特の”変塗(かわりぬり)”を披露し、静岡県蒔絵工業協同組合の皆さんが蒔絵を施す、
というように皆で知恵を絞り、力をあわせ、出来上がりました。
静岡の伝統工芸”漆芸”を今に伝えるこの作品の完成を祝して、
本日、除幕式が行われました。年明け早々にもかかわらず、たくさんの方にご出席いただきました!
除幕の瞬間です!
会場からは一斉に「おぉー!」という歓声が!
《東海道五十三次ひとめ図》は縦2m、横3.2mもある、
巨大な “地図のような絵”です。遠くから見ても、その美しさに圧倒されますが、
ぜひ近寄って細部までご覧ください。
たくさんの発見があるはずです。除幕の後、何分も、なかには何十分も作品の前で見入る人の姿が。
最後に、制作者の皆さんと記念撮影!
皆さん、2年間本当にありがとうございました。《東海道五十三次ひとめ図》の横には、
この作品の制作過程や、技法を紹介するパンフレットを設置しております。
作品と併せて、ぜひこちらも覧ください。さて、もうひとつ、本日よりスタートした「静岡の匠」展をご紹介します。
「静岡の匠」展は、《東海道五十三次ひとめ図》の制作に携わった方々などの作品展です。
当館多目的室で本日より開催、観覧無料です。(会期:1月4日~22日)
なお、本展に関連したイベントも多数ご用意しております!
静岡の匠の技を間近でご覧いただくことのできる「匠の技-実演」を開催します。今週末8(日)、9(月・祝)は漆の実演、14(土)は蒔絵、21(土)は彫金です。
詳細はこちらをご覧ください。予約不要、どなたでもご参加いただけますので、お気軽にお越しください。
では、本年も静岡市美術館をよろしくお願いいたします!
(m.y)
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2011年12月17日 三万人達成&親子で楽しむギャラリートーク
先日12月8日には観覧者が三万人を達成しました。
三万人目のお客様は、三島市からお越しの佐野さんら4名様。
当館館長より、レオナルド展の図録やグッズなど、記念品がプレゼントされました!
4人は華道グループの仲間ということで、食事会の後ご来館下さったとのこと。
ありがとうございました!
さて。ここからは関連イベントのご報告です。
「親子で楽しむギャラリートーク」を11月20日(日)、12月11日(日)の二回行いました。
小学生とその保護者の方を対象としたこちらのイベントですが、
9時~10時の間、開館前の特別な時間に鑑賞できるということもあり、お申込みも沢山ありました。
当日はまずエントランスホールに集合。
簡単にマナーや展覧会の概要をお話しました。
そして展示室に入り、みんなで一緒に4点ほど作品を鑑賞しました。
「ルーブル美術館の《モナ・リザ》に一番にている作品はどれだろう?」
「レオナルドの作品とみんなの目の前にある作品、どこが似ている?」
「《裸のモナ・リザ》と同じポーズ、できる?」
と問いかけていくと、最初は緊張しておとなしかった子どもたちが
どんどん気付いたことを教えてくれました。
普段、美術館では大きな声を出して話すのに躊躇してしまいますが、
参加者だけの特別な時間ということで、肩肘はらずに作品と向き合っていた姿が印象的でした。
みんなで鑑賞したあとは、このような紙を配って自由鑑賞の時間に…。
本展は「女性美」に焦点を当てた展覧会。女性が描かれている作品がほとんどなので、
「とっておきの美女を探そう投票用紙」と題し、
自分が好きな女性、一番綺麗だと思う女性が描かれている作品を見つけてもらいました。
もちろんお父さん、お母さんにも投票してもらいました。
ちなみに、投票結果はこちら…!
11月20日(日)
1位 ≪アイルワースのモナ・リザ≫
2位 レオナルド周辺の画家≪レダと白鳥≫
3位 サライ≪聖母子と聖アンナ≫
12月11日(日)
1位 レオナルドと弟子(カルロ・ペドレッティ説)≪岩窟の聖母≫
2位 サライ≪聖母子と聖アンナ≫
3位 レオナルドとジャンピエトリーノ(カルロ・ペドレッティ説)≪マグダラのマリア(ルクレティア?)≫
静岡展のみ展示されるサライ≪聖母子と聖アンナ≫が両日ランクインしてます。
ちなみに20日の2位となった≪レダと白鳥≫はほとんどがお父さんたちの投票です。
しなやかなレダの裸体に見とれてしまった方が多かったようです。
この他にも皆、それぞれのお気に入りの女性を見つけてくれました。
最後に選んだ作品のどこが良かったかを1人1人聞き、
「鑑賞マスター認定証」をお渡しして終了しました。
みなさまどうぞお見逃しなく!
(a.i)
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2011年12月01日 「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展 講演会のご報告
本日から12月。今年もあと一ヶ月となりました。
本展も11月3日に開幕し、会期も残すところ、あと半分。早いものですね。
「レオナルド・ダ・ヴィンチ美の理想」展、連日多くのお客様にお越し頂いております!
年の瀬の忙しさで「行き忘れた!」とならぬよう、みなさま、お早目のご来館をお待ちしております。
会期終了間際は混み合うことが予想されますが、今なら比較的ゆっくりとご鑑賞いただけます。
本日は展覧会に合わせて行われた講演会2本のご報告です。
一つ目は11月3日(木・祝)、開幕初日に行われた「レオナルドと美の世界」。
本展監修者のアレッサンドロ・ヴェッツォージ先生に、イタリアからお越しいただきました!
ヴェッツォージ先生は、レオナルドが生まれたフィレンツェ近郊のヴィンチ村にある、
「レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館」の館長をされており、レオナルド研究の第一人者でもあります。
ご講演では出品作品の見どころを解説して頂きました。
出品作74点のうち、9割が日本初公開。専門家でも目にする機会が少ない貴重な作品が多数出品されています。
レオナルドの影響がみられる弟子の作品や、「モナ・リザ」を巡る謎など、
最新の研究成果を踏まえながらも、丁寧にわかりやすくご説明いただきました。
ご講演のなかで「レオナルドは晩年、東洋を旅したいという夢を持っていたようです。
今回、このように作品が海を渡り、この静岡の地にやってきたことで、作品を通じ、彼の夢は実現したわけです。」
とのお話がありました。
開幕まで準備に追われておりましたが、このお言葉を聞いて胸に響くものがありました。
レオナルドが追い求めた美の理想、第一会場の静岡市美術館で多くのお客様にご覧頂ける機会になれば、
と気を引き締める初日となりました。
二つ目は、11月12日(土)に行われた「レオナルド・ダ・ヴィンチの<謎>について」。
講師は日本側監修者でBunkamuraザ・ミュージアム プロデューサーの木島俊介先生。
出品作品に限らず、レオナルドの作品やルネサンス芸術において大きな影響を与えた
ネオプラトニズムについてもご説明頂きました。
哲学はなかなか難しいですが、木島先生のわかりやすいご説明で、中世のキリスト教世界から移行し、
名だたる芸術家たちが生まれたルネサンスという時代の根幹がわかり、とても興味深かい内容でした。
今回の2本の講演会、レオナルドの人気を証明するかのように、本当に沢山のご応募がありました。
抽選にもれてしまった方、申し訳ありません!
ヴェッツォージ先生、木島先生、お二人のご論考が本展の展覧会図録に所収されておりますので、是非ご覧下さい!
(a.i)
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