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ミュシャ展




2章:パリ 人生の絶頂期

絵の道を志すことに決めたミュシャは、1887年パリへ出ます。挿絵の仕事で生計を立てる中、1892年に手がけた昔話集『おばあさんのお話』でその才能を発揮すると、瞬く間に人気の挿絵画家になります。そうした中で転機が訪れます。1894年のクリスマス、サラ・ベルナールの主演する舞台「ジスモンダ」のポスターを急遽制作することに。翌年1月1日、ポスターがパリの路上に貼り出されると大評判となり、ミュシャは一夜にして時代の寵児となります。こうして生まれた、象徴的な女性の優美な佇まいと独創的な模様を組み合わせたミュシャ様式は、アール・ヌーヴォーの中で重要な位置を占めることとなります。2章ではパリ時代の作品を紹介します。


挿絵原画
『おばあさんのお話』でミュシャは人気の挿絵画家に。
『ドイツ史の諸場面とエピソード』で歴史画シリーズを手がけたことが《スラヴ叙事詩》へとつながっていく。

左:挿絵原画《蚊のお話(クサヴィエ・マルミエ著『おばあさんのお話』)》1892年
右:挿絵原画《プラハ大学を創立するカール四世(シャルル・セニョボス著『ドイツ史の諸場面とエピソード』)》1896年

素描
初公開作品!
見事な白色ハイライト

素描《少女と鳩》1899年

書籍
134頁すべてにアール・ヌーヴォー風の挿絵を添える

ロベール・ドゥ・フレール著『トリポリの姫君イルゼ』の装丁、挿絵 1897年


パリ万博の公式ガイドブック

『1900年パリ万国博覧会オーストリア部門公式ガイドブック』の装丁
1900年

装飾皿
ミュシャの才能が十分に発揮された
ビザンティン風の頭部の図像が施された装飾皿

左:装飾皿《ビザンティン風の頭部:ブロンド》1898年
右:装飾皿《ビザンティン風の頭部:ブルネット》1898年

ミュシャの出世作!大女優サラ・ベルナールの劇場ポスター
《ジスモンダ》で一夜にして時代の寵児に。その後6年間サラと契約を結ぶ

左上から ポスター《ジスモンダ》1894年、ポスター《椿姫》1896年、
ポスター《ロレンザッチオ》1896年、ポスター《サマリアの女》1897年、
ポスター《メディア》1898年、ポスター《悲劇の物語デンマーク王子ハムレット》1899年

装飾パネル
珍しい4点同時展示!
同年に手がけられた《ジスモンダ》とは対照的な古典的な表現で描かれた装飾パネル

左から 連作装飾パネル《花(ホーム=デコ社)》《果物(ホーム=デコ社)》
《狩り(ホーム=デコ社)》《魚釣り(ホーム=デコ社)》すべて1894年

ポスター
商品そのものよりも、
そのイメージや雰囲気を表現

カレンダー《ビスケット・ルフェーヴル=ウティール》
1896年

ポスター
様式的・装飾的に
アレンジされたロングヘアと
繊細な指先の表現に注目

ポスター《ジョブ》1896年

ミュシャの名声を確立した
個展のポスター。
典型的なスラヴの娘を描いた

ポスター《サロン・デ・サン:A.ミュシャ展》
1897年

3章:アメリカ 新たな道の発見