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デンマーク・デザイン

展覧会概要主な出品作品お楽しみ関連イベント刊行物


1国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン
2古典主義から機能主義へ
3オーガニック・モダニズム―デンマーク・デザインの国際化
4ポストモダニズムと現代のデンマーク・デザイン


第1章 国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン

デンマーク・デザインが確立される1900年代以前、ロイヤル コペンハーゲンの陶磁器は世界の注目を集めました。日本美術の影響を受けたアール・ヌーヴォー様式の作品は、1889年、1900年のパリ万国博覧会で人気を博します。同じくデンマークの陶磁器ブランドのビング オー グレンダールも彫塑的要素の強い作品で個性を示します。この両窯は、新しい磁器表現の先駆者として世界に大きな影響を与えました。本章では、現在も生産されるロイヤル コペンハーゲンの最初期シリーズをはじめ、デンマークが誇る2大陶磁器ブランドの作品を紹介します。


皿〈ブルーフルーテッド〉 [1785年頃]
ロイヤル コペンハーゲン 塩川コレクション

ピートロ・クローン ソース入〈鷺のサーヴィス〉
[1898-1915年] ビング オー グレンダール
塩川コレクション


第2章 古典主義から機能主義へ

コーオ・クリント(1888-1954)は、王立美術アカデミー建築学科家具専攻科を創設し、1920年代より国内で初めて体系的な家具デザインの教育を行った建築家です。デンマーク近代デザインの父と称され、多くの家具デザイナーに影響を与えました。クリントは、中国やイギリスなどの古典家具の研究を重んじました。また、人体の採寸に取り組み家具の使用方法に着眼するなど、人間工学の先駆けとも言える理論を確立します。本章では、コーオ・クリントのほか、その弟子モーウンス・コク等による、デンマーク近代デザインの幕開けを飾った椅子や照明器具などのデザインを紹介します。


クリントに家具の古典研究を
指南した師が手がけた洗練されたフォルム
ヨハン・ローゼ ピッチャー no.432
1920年[1933-1944年制作]
ジョージ ジェンセン 個人蔵

イギリスの古典家具、
チッペンデールチェア研究に基づいた椅子
コーオ・クリント 椅子 KK37580〈レッドチェア〉
1927年 ルド・ラスムッセン工房
デンマーク・デザイン博物館
photo:Designmuseum Danmark/ Pernille Klemp



ヤコブセンがデザインした貴重なテキスタイルも出品!
アーネ・ヤコプスン[アルネ・ヤコブセン] テキスタイル〈レモン〉
1948年以前 テクスティール=ラスン ビスコース織物 個人蔵
photo:Michael Whiteway


第3章 オーガニック・モダニズム―デンマーク・デザインの国際化

1950年代、デンマーク・デザインは他の北欧諸国と共に黄金期を迎えます。世界の注目は、前時代の古典的で幾何学的な形態とは異なる、自然の造形美をとり入れた有機的なフォルムに集まります。アーネ・ヤコプスン[アルネ・ヤコブセン](1902-71)、ハンス・ヴィーイナ[ウェグナー](1914-2007)やフィン・ユール(1912-89)らの「オーガニック・モダニズム」と呼ばれたデザインは、手仕事の良さと量産性のバランスを兼ね備え、遊び心や温かみに溢れていました。本章では、デンマーク・デザインの巨匠らが手掛けた家具類をはじめとする、デンマーク・デザインの数々を紹介します。


ウィンザーチェアの系譜、
孔雀の羽をイメージした椅子
ハンス・ヴィーイナ[ウェグナー]
椅子 JH550〈ピーコックチェア〉 1947年
ヨハネス・ハンスン 個人蔵
photo: Michael Whiteway

彫刻的とも評される、酋長(しゅうちょう)の椅子
フィン・ユール 椅子〈チーフテンチェア〉 1949年
ニルス・ロート・アナスン デンマーク・デザイン博物館
photo: Designmuseum Danmark / Pernille Klemp


世界初、硬質発砲ウレタンを用いた椅子
アーネ・ヤコプスン[アルネ・ヤコブセン] 肘掛椅子〈エッグチェア〉
1958年[1965年頃制作] フリッツ・ハンセン 個人蔵
photo : Michael Whiteway


シェーカーチェアに想を得た
「国民のための椅子」
バアウ・モーウンスン 椅子 J39 1947年
デンマーク生活協同組合連合会 個人蔵
photo: Michael Whiteway

一枚のプラスチック板で出来た
世界で初めての椅子
ヴェアナ・パントン 椅子〈パントンチェア〉
1967年[1976年制作] ハーマンミラー 個人蔵
photo: Michael Whiteway



ニューヨーク近代美術館にも収蔵される、
洗練されたデザインのレコードプレーヤー
ヤコプ・イェンスン
レコードプレーヤー〈ベオグラム4000〉 1972年
バング&オルフセン 個人蔵
photo: Michael Whiteway

50年以上前から変わらないかたち
オーレ・キアク・クレスチャンスン
無限連結式ブロック玩具〈レゴブロック〉 1960年頃
レゴ 個人蔵
photo: Michael Whiteway


72枚のシェードにより
良質な光が生み出されるヘニングスンの代表作
ポウル・ヘニングスン ペンダント・ランプ〈PH アーティチョーク〉
1957年 ルイスポールセン 個人蔵
photo : Michael Whiteway


現在も生産される可動式の
木製玩具の人気シリーズ
カイ・ボイイスン 玩具〈サル〉 1951年
カイ・ボイイスン 個人蔵
photo: Michael Whiteway

有機的な曲線が美しいピッチャー
ヘニング・コべル ピッチャー no.992 1952年
ジョージ ジェンセン ジョージ ジェンセンA/S
photo: George Jensen


第4章 ポストモダニズムと現代のデンマーク・デザイン

デンマーク・デザインは、20世紀を通して洗練されてきました。現在のデザイナーたちは、伝統を受け継ぎながら、時代の要請に応えたデザインを生み出し続けています。例えば使用済みペットボトルから作られた新素材への着目など、新しい技術の導入や環境への配慮は、現在のデンマーク・デザインの特徴の一つと言えます。本章では、世界で活躍するデザイナーらによる、デンマーク・デザインの今を紹介します。


文様を大胆に配置した〈ブルーフルーテッド〉の
新たなシリーズ
カーアン・ケルゴー=ラースン 皿〈ブルーフルーテッド メガ〉
2000年 ロイヤル コペンハーゲン
デンマーク・デザイン博物館
photo: Royal Copenhagen

鮮やかな配色が印象的な食器セット
ウアスラ・モンク=ピーダスン
食器セット〈ウアスラ〉1991年 ケーラーデザイン
デンマーク・デザイン博物館
photo: kahler Design


デンマークのデザイントリオ「KiBiSi(キビースィ)」による
都市名を冠した自転車
キビースィ 自転車〈PEK〉 2015年 ビオミーガ デンマーク・デザイン博物館 photo: Biomega